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岡山学芸館の2年生MF田口裕真、来年度はインハイとプレミア昇格も「成し遂げてない目標も多い」

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ライン際を突破する岡山学芸館MF田口裕真(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.9 選手権決勝 岡山学芸館高 3-1 東山高 国立]

 日本一の歓喜から今度は連覇への道をスタートさせる。準々決勝、準決勝と2試合連続の先制点で岡山学芸館高(岡山)を初の決勝に導いたMF田口裕真(2年)は1-1の後半7分、勝ち越しゴールの起点となり、岡山県勢初の優勝に貢献した。

 トップ下で先発していた田口裕だが、前半途中からベンチの指示で左サイドハーフにポジションを移していた。後半7分の得点シーンは左サイドでタメをつくった田口裕がその背後をオーバーラップしてきたDF中尾誉(3年)につなぎ、中尾のクロスにMF木村匡吾(3年)が頭で合わせる形だった。

「これまでも左をやるときは中尾選手といい関係性でできていた。外を回ってくれると信じてパスを出した。ゴールが入ってよかった」と、左サイドのコンビネーションから2点目が決まるなどベンチワークも当たった。

 前半25分に先制した岡山学芸館だが、その後は東山の反撃を受け、前半44分に失点。2-1と勝ち越したあともピンチはあったが、粘り強く我慢し、試合終盤にダメ押しの3点目を奪った。

「(神村学園との)準決勝の前半同様、しんどい時間が多かったけど、ブレずに焦らずやろうという共通認識を持っていた。後半のゴールシーンは自分たちの特徴が出せたと思う」

 そう胸を張った田口裕は2年生ながらトップ下を任されるなど攻撃を牽引。準々決勝、準決勝では貴重な先制点も決めていたが、決勝後に発表された大会優秀選手には選出されなかった。岡山学芸館からはFW今井拓人(3年)、MF岡本温叶(3年)、MF山田蒼(3年)、木村といった攻撃陣を中心に最多タイの6人が選ばれ、本人も「正直、狙っていた」だけに悔しさは隠せなかった。

「素晴らしい選手が他の高校にもたくさんいる。入れなかったのは悔しいけど、これで終わりじゃない。すぐに新チームが始まるし、この場所にまた戻ってこれるようにしっかりやりたい」。そう前を向くと、全国王者として追われることになる来年度に向けた決意も口にした。

「今年と来年は別物と考えている。(選手権優勝で)歴史を変えることができたけど、インターハイ優勝とかプレミアリーグ昇格とか、まだ成し遂げていない目標も多くある。来年はそこを取れるように頑張りたい」

 選手権連覇だけではない。過去2年連続で最高成績のベスト8進出を果たしている全国高校総体(インターハイ)での日本一、今年度は参入戦の1回戦で敗れたプレミアリーグ初昇格も見据え、岡山学芸館の挑戦はこれからも続いていく。

(取材・文 西山紘平)

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