beacon

[MOM4447]延岡学園FW西田勇樹(3年)_技ありの決勝点。“一番下手くそ”から技術、逆を取る動きを磨き続け、選手権予選で輝く

このエントリーをはてなブックマークに追加

延岡学園高FW西田勇樹(3年=FC LISOL出身)は相手の逆を取る動きなどで存在感。決勝点を決めた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.9 選手権宮崎県予選3回戦 延岡学園高 1-0 延岡工高 綾町小田爪陸上競技場]

「チームで一番になるということを目標にしてきたので、試合でも目立てているので凄く自分では嬉しいと思います」

 延岡学園高は、背番号23のFW西田勇樹(3年=FC LISOL出身)が最前線で躍動。「(昨夏頃から)ボールコントロールも変わったんですけれども、相手の重心を見て逆を突くというのが一番身についた」という西田は、巧みなボールコントロールと鋭く相手の逆を突く動きで相手の脅威になっていた。

 そして、前半31分にはMF尾込脩也主将(3年)とのパス交換で左中間を抜け出す。GKが飛び出してきていたが、左足で巧みに浮かせてゴールへ流し込んだ。鮮やかな先制点。大羽洋嘉監督も技巧を認めるアタッカーの1点が決勝点となった。

 熊本県八代市のFC LISOL出身の西田は高校進学時、熊本県外の名門校への進学を考えていたという。だが、自分の力不足を感じ、中学時代の恩師の勧めで徹底的に技術力を磨く延岡学園への進学を決めた。ただし、「1年目からみんなに追いつくのが精一杯で。最初はみんなから信頼も何もなくて、“一番下手くそ”っていうのを自分でも自覚していた」。それでも、家族やコーチ陣の期待、周囲の応援に応えたいという思いで努力を重ねてきた。

 特に昨夏に人一倍ボールに触り、技術力を向上。今年は160cmの小柄な身体で当たり負けしないように筋トレを重ねるなど、体作りにもこだわってきた。PA付近でのキックフェイントや逆を取る動きからゴールへ。この日は貴重なゴールを決めたが、“まだまだ上手くなりたい”という向上心を口にしていた。

「まだまだ下手くそなんですけれども、周りからもっと上手いと思われたり、周りからもっと認められる選手になりたいです。エースになるためにもまだまだ練習をしないといけない。チームが勝つためには自分が点を決めるしかないので、それをしっかりと考えて、チームのために活躍できるような人間になりたいです」

 準々決勝は宮崎一高と対戦。「第一戦は相手の方がフィジカル高いのも分かっている。フィジカルにも負けないように、ボールコントロールもしっかりとして、逆を突いて、PAでは一番輝けるようにしたいです」。“一番下手くそ”からチームの中心選手に成長したFWが、準々決勝でも輝き、「南国の技巧派軍団」延岡学園を準決勝へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2023
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP