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明桜MF中山煌斗が強風を味方に。咄嗟の判断で右足から左足キックへ変更し、直接CK弾

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前半36分、明桜高MF中山煌斗(3年=北海道コンサドーレ旭川Uー15出身)が直接CKを決めて追加点

[10.21 選手権秋田県予選決勝 明桜高 2-0 秋田商高 ソユスタ]

 前日に急遽準備したという左足のCKが、貴重な追加点をもたらした。1-0の前半36分、明桜高は右サイドからのCKを獲得。キッカーのMF中山煌斗(3年=北海道コンサドーレ旭川Uー15出身)はそれまで右足でキックを続けていたが、このシーンでは左足でボールを蹴り込む。これがGKの頭上を超えてファーサイドのゴールネットへ吸い込まれた。

「今日風があって、左で巻いた方が風に乗っていけるかなと思って蹴っていました。狙っていました。素直に嬉しかったです」と中山。1年時にはセットプレーを両足で蹴っていたというが、以降のプレースキックは右足のみだった。今大会も準決勝まで右一本だったが、前日練習で原美彦監督に「左で蹴っても良いですか?」と相談。決勝の悪天候、ソユースタジアムの強風を想定して準備した「左」だった。

 この日、中山は最初の右CKを左足で蹴ったものの、ボールは強風に乗り過ぎてゴールラインを割っていた。風が強すぎる際には有効ではないと分析。その後、右足でのキックに変えていたが、ゴールシーンでは適度の風まで弱まったことを感じ取り、左足キックで歓喜を巻き起こした。

 直接CKでのゴールは練習試合で一度、右足で決めているというが、公式戦、また左足でのCK弾は初めて。原監督も「(咄嗟に左足キックを選択したことは)彼の賢さだと思います」と称賛したCK弾が、明桜を全国大会出場へ大きく近づけた。

 この日は雨の影響で思うようにボールを動かせない中、中山はセカンドボール回収や落ち着いた配球。「自分、真ん中のポジションで全体が見えるポジションなので、気を配って声を掛けていました。下じゃ止まって通らないので、ループとか工夫してやっていました」。メンタル面で成長し、チームの中軸の一人に。球際でバトルすることについて、「いつもの苦しい練習の通りに出来たので良かった。まだまだ足りないところもあるので全国で1勝するためにこれからの練習でもっとやっていきたいです」と語るボランチが、得意のキックやゲームコントロール、戦う部分でも全国1勝に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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