beacon

[選手権]日章学園CB藤本晃士主将がヘディング弾に加え、好守連発。1年7か月間の離脱乗り越え、思い続けた選手権へ:宮崎

このエントリーをはてなブックマークに追加

日章学園高のCB藤本晃士主将(3年=日章学園中出身、右端)は自身初の選手権で日本一を目指す

[10.28 選手権宮崎県予選決勝 日章学園高 6-1 宮崎日大高 ユニスタ]

 思い続けた舞台に立つ権利を掴み取った。日章学園高のCB藤本晃士主将(3年=日章学園中出身)は、「自分たちが失点して苦しい時間が多かったですけれども、応援という力で自分たちも鼓舞されていたので、それが結果に繋がったと思います」とチームメートたちの応援に感謝。優勝を素直に喜んでいた。

 前半、DFラインにバタつきが見られる中、藤本自身もミス。幸先よく先制しながら、前半11分に追いつかれてしまう。また、宮崎日大高のエースFW大塚虎太郎(3年)に起点を作られ、攻め切られるシーンが増加。それでも、日章学園はボールを保持する時間を増加する中で攻撃陣が得点を奪い返し、藤本も前半終了間際にヘディング弾を決めた。

 4-1の後半は「前向いた瞬間に一枚出すこと、チャレンジアンドカバーをすることをチーム全体で徹底して、そこが上手くやれたので後半から自分たちの思うようなサッカーができた」。その中で藤本は前に出て頭で跳ね返し、またインターセプトも。そして、ゴール前での身体を張った守備でも存在感を放った。

 原啓太監督も「今年一番良いんじゃないかというくらい」と評したパフォーマンス。藤本も「前半、思うように相手の前に入ってボールを奪うことができていなかったので、後半、そういうところにこだわってやろうと自分でも決めていたので、ヘディングやパスカットができたと思います。最後、ゴール前で身体を張って守るというのは自分でも持ち味にしているので、それを全面に出せたので良かった」と微笑んだ。

 藤本は当時SBを務めていた1年時のインターハイ全国大会で先発出場。だが、期待のDFは右膝前十字靭帯に大怪我を負って長期離脱を強いられた。さらに昨年4月、本格復帰直前の練習で再負傷。今年2月の新人戦九州大会で復帰するまで1年7か月もの期間、ピッチから離れていた。

 昨冬は全国大会の登録メンバーに加えてもらったものの、まだ選手権のピッチに立つことはできていない。それだけに、「2年間できなかったので、これが最後なので、人よりも懸ける思いが強いと思います」。仲間の励ましのお陰でリハビリを続けてきたDFは、仲間への感謝の気持ちや選手権に懸ける思いも宮崎制覇に結びつけた。

 復帰当初は相手に寄せることやコーチングなど、まだまだ思うようにプレーすることができていなかった。だが、自主練も含めて改善。武器のヘディングもタイミングが向上し、強さに磨きを掛けている。

 藤本は自身初の選手権で日本一を取るための準備をすることを誓う。「3年生で最後の選手権。県大会優勝という形で終えることができたけれど、全国大会優勝という形で終わりたいので、そこへ向けてまた頑張っていきたい」。まずはもう一つの目標であるプレミアリーグ昇格へ集中。そして、今冬、必ず国立競技場で躍動する。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
●【特設】高校選手権2023
吉田太郎
Text by 吉田太郎

TOP