[11.11 選手権静岡県予選決勝 静岡学園高 2-1 藤枝東高 エコパ]

「僕はずっと信じていました」

　静岡学園高のエースストライカー、U-18日本代表FW神田奏真(3年=大阪東淀川FC出身、川崎F 内定)は笑顔で優勝写真に収まった。両足甲を手術したため、今回の選手権予選は登録外。チームメートが優勝することを信じるしかなかった。

　高校生活最後の選手権予選に出られない悔しさはあった。それでも、ピッチ外でチームメートたちの成長を感じ取っていた。この日も目に映ったのは仲間たちの頼もしい姿。「気持ち入っていたし、一人ひとりが同じ思いでやっていたので、そこが結果に繋がったと思います」。次は自分がやるだけだ。

「ずっと信じていただけなので、そこをみんながやってくれたので、自分としては感謝しかないです。僕がやるのは点を決めるだけなので、(全国大会では)得点王を目指してやっていきたいと思っています」

　現在は12月の復帰へ向けてリハビリ中。「ムキムキになりました」と笑う。だが、プレミアリーグWEST11試合で12ゴール、インターハイ予選決勝で超絶ゴールを決めたエースでも、ポジションは安泰ではない。

　復帰してからが勝負。「自分も帰ってもスタメンが取れるという保証はないので、努力していく」。この日、切り替えの速さや球際の強さ勝負強さを発揮したチームメートも神田に現在の静学の基準を求めていく考えだ。

　司令塔のMF森崎澄晴(3年)は、「奏真は守備も、収めるところも、オールラウンダーのFW。今まで一緒にやってきた中でもレベルの高いFWです。今、切り替え、球際とか意識しているので順応して欲しい」と求める。その森崎も「あとはスーパーなので」と評する神田は、コンディションを高めて日本一に導く意気込みだ。

「(注目して欲しいところは、)得点を取ることですね、。チームとしては日本一になって、個人としては得点王を目指して頑張りたいと思っています」。怪我の県選抜MF福地瑠伊(3年)やメンバー外の選手たちの思いも背負って戦い、ゴールを連発する。

(取材・文　吉田太郎)

---

●第102回全国高校サッカー選手権特集