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プレミアリーグ全22試合先発の“鉄人”。尚志右SB冨岡和真は岡山学芸館との初戦から「全力で、終わったら倒れるぐらいまでしっかり戦っていきたい」

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尚志高の“鉄人”右SB冨岡和真(3年=府ロクジュニアユース出身)

 第102回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。尚志高(福島)DF冨岡和真(3年=府ロクジュニアユース出身)は、プレミアリーグEASTの全22試合で先発出場し、2位に貢献している右SBだ。高校進学後に右SBへ転向した富岡は推進力と体力が特長。日常の体のケアから徹底し、年間を通してチームに貢献し続けた富岡に選手権への意気込みなどを聞いた。

―あと少しで選手権が始まる。
「もう、とにかく楽しみです。自分が小さい頃から選手権に凄く憧れていて、2年生の時の選手権メンバーに入ってたんですけど、サポートメンバーみたいな形でベンチに入ることができなかったんで、やっとこの3年生で全国っていう舞台で出れるので凄く嬉しいです」

―今年はプレミアリーグで全試合出て、中心選手に。
「自分の攻撃は得意な方なんですけど、守備面では、プレミアリーグの試合を通して、凄く強力な選手とやってきたんで、1対1とか、駆け引きとか凄く成長できたかなって思います」

―プレミアリーグは強烈なサイドハーフが多い。印象に残ってる選手はいますか。
「大宮アルディージャの種田陽選手は凄く上手かったですね」

―経験を重ねるごとに自分の強度だったり、タイミングが良くなってきたのかな。
「1番は戦ってきて、試合で1対1で取れたり、スライディングで取れたりして自信がついたかなっていうのはあります」

―攻撃は得意とする部分。
「(仲村浩二)監督に『攻撃得意なんだから、もっとやれよ』みたいな感じで言われたんで、スペースがあったら、前にドリブルしたりとか意識してできていたので凄く良かったです」

―SBが前の選手を追い越していくことをどれだけやるかっていうのは、勝敗に係わってくる。
「自分の前のポジションの若林来希がボール持ったら、オーバーラップは絶対しないといけないって思ってるんで、そこは徹底してやっています」

―右サイドのコンビネーションはどうですか。
「お互いコミュニケーション取って、やりやすい環境をお互い作れている。お互い自信持ってやれてるんで、結構コンビは良いと思います」

―プレミアリーグの2位という成績は自信にもなったかな。
「(自分たちの代にとって)初めてのプレミアリーグで最終的にこんな順位になるとは思ってなかったんですけど、やっぱり1試合1試合重ねて、その1試合を全力で戦うってことを積み重ねればこういう結果に繋がるんだなって思ったので、選手戦も目の前の相手にしっかり全力で戦っていきたいと思っています」

―どんなプレーをしたいと考えている?
「やっぱりチームのために、守備の部分では身体をしっかり張って、攻撃面では内側に入ったりだとか、ドリブルとかでアシストして勝利に貢献したいです」

―全国制覇はみんなが掲げている目標。
「まず先を見ずに、初戦の岡山学芸館にしっかり全力で、終わったら倒れるぐらいまでしっかり戦っていきたい。それぐらいの気持ちでやればいいと思います」

―運動量は自信がある。
「中学校の時に凄い雨の日とかはグラウンドとか使えなかったりしたんで、結構走るトレーニングとかしてたんで、そこでちょっと身についたと思います」

―府ロクからなぜ尚志に。
「中学3年の時に、全国大会に出たいっていうのがあって、尚志高校は6年連続とかで出ていて、自分、東京出身なんですけど、東京は 強い高校がいっぱいあって、どこが出るか分からない。地方行って出れる確率の方が高い高校が良いなって思って、尚志に行きました」

―尚志進学は挑戦だったと思うが。
「はい。最初は親とかからも『絶対、オマエは1番下手だから』って言われて。『一番下手だから、そこは謙虚にやってこい』って言われてたんで、そういう気持ちでいました」

―いつぐらいから自信を持てるようになった?
「本当に最近です。2年生の時は 3年生の鈴木大翔君(現仙台大)がいて。大翔君が引退したりして、自分の番が来て、 プレミアでどんどんアシストとかして、そういうところで自信がつきました」

―高校選抜の鈴木君から学ぶところも多かった。
「攻撃面でも運動量が凄いんで、追い越したりとかは、『これぐらいやんないとな』と思いました」

―ずっとSBだった?
「はい。高校入ってずっとSBをやっています。中学校の時はボランチとかFWをやっていたんですけれども、小室(雅弘)コーチに『右SBをやった方が良い』って言われて、それでやり始めました」

―すぐに受け入れられた。
「いや、最初は『やっぱFWが良いです』って言ってたんですけど、でも、(最終的に)右SBやっていましたね」

―今年は怪我もないから、プレミアリーグで22試合出れた。
「やっぱ怪我の予防とかすることで、チームに貢献できることはあると思うんで、そこはしっかりストレッチとかやっていました」

―憧れのSBは?
「アーノルド選手です」

―見る人には自分のどのようなところを見て欲しい?
「やっぱ自分の武器であるドリブルとか、攻撃面で結構打開するところを見て欲しいです」

―本当、馬力が凄くあるなと思うけれど、どうやって身体を強くした?
「中学校で培ったと思います。結構細い方で、中学校の監督に、『もっと食え』って言われて、3年生の時にコロナで全然練習とかできない時があったんですけど、その時にめっちゃ食べて、それで体重増やして、そこから絞ったみたいな感じです」

―将来の目標は?
「親とかが自分のために凄く協力してくれたんで、絶対に(大学)4年間でプロになって、日本代表とかにも入って恩返ししたいです」

(取材・文 吉田太郎)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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