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[MOM4582]市立船橋FW郡司璃来(3年)_「高校No.1ストライカー」と敵将も認める清水内定FWが選手権デビュー戦で鮮烈ハット

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踊るような鮮やかなステップでゴールを陥れた市立船橋高FW郡司璃来(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.29 選手権1回戦 市立船橋高 4-1 高川学園高 柏の葉]

 J内定(清水)選手という肩書きも相まって今大会注目の選手のひとりに数えられる中、市立船橋高(千葉)のエースが開始7分で自らの価値を証明した。

 左サイドのタッチラインを割りそうなボールで高川学園守備陣の足が止まりそうになったところで、MF足立陽(3年)がDFラインの背後に浮き球を入れる。素早い動き出しで反応したFW郡司璃来(3年)は、ワンタッチで対峙する相手主将のDF藤井蒼斗(3年)をかわすと、右足でニアサイドに破った。市立船橋にとって3年ぶりとなる冬の舞台とあって、いまの代にとっては初の選手権。それをものともせず、選手権のファーストシュートでゴールを決めきってみせた。

 その4分後には、主将のMF太田隼剛(3年)が相手のハンドを誘発してPKを獲得。「高校に入って外している回数が多いんですけど、キャプテンに託されたPKなんで」とゴール右に成功させて開始11分で早くも2ゴールをマークする。

 極めつけは後半21分、太田のクロスに対して、一度DFから離れながらも先にコースに入って頭で合わせる。「郡司と自分の中では共有認識があるので。どこの場所からでも郡司と自分はゴールを狙う関係はできている」と相棒の太田。多彩な得点パターンでハットトリックを完成させた。

「裏向けのところが警戒はしていたのでそこの部分の準備はしていたんですけど、郡司くんの方がスピードがあって」と予期していた以上のポテンシャルに、「高校ナンバーワンストライカーなのかなと思います」と高川学園高(山口)の江本孝監督も称賛する出来だった。

 高校初年度から名門の主力を担ってきた郡司。2021年のプレミアリーグでは1年生ながら17試合中15試合に出場し、チームトップの6ゴールを挙げた。翌年には10番を担い、県予選で4戦4発の活躍を見せてチームを3年ぶりのインターハイに導いたが、選手権は2年連続で県予選決勝で涙をのんだ。最高学年になった今年は、2年連続となるインターハイで8強入り、そして最後の選手権では県予選決勝でハットトリックを挙げて、悲願の選手権出場を手繰り寄せた。

「誰よりも長く自主練している自信はあります」。その得点力は練習のたまものであることを語る郡司。指揮官も「シュート練習なんかもコーチたちがずっと付き合ってくれているのでそういった成果が出てよかった」と目を細めた。

(取材・文 奥山典幸)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
奥山典幸
Text by 奥山典幸

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