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藤枝順心、選手権史上最多更新の7度目優勝!!大会2連覇&夏冬連覇の3期連続日本一!!

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大会連覇と夏冬連覇を同時に成し遂げた藤枝順心のメンバーたち。選手権優勝7度目は史上最多

[1.7 全国高校女子選手権決勝 藤枝順心高 3-0 十文字高 ノエスタ神戸]

 第32回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は、2大会連続同一カードとなり、藤枝順心(東海1/静岡)が十文字(関東2/東京)を3-0でくだし大会2連覇、史上最多を更新する7度目の優勝を飾った。2023年夏の総体優勝に続く同校初の夏冬連覇、そして昨冬から数えると3期連続での日本一。7大会ぶり2度目の優勝を目指した十文字だったが、リベンジは叶わなかった。

 ハードワークを怠らないハイプレスの応酬は前回大会と変わらない。その中、藤枝順心は相手DFのギャップに入り込んでのショートパスの受け渡し、加えてSBのDF松本琉那(2年)とFW辻澤亜唯(3年)のコンビで右サイドを突くなど、効果的にロングボールを使って十文字のプレスの裏を狙う。

 そして、前線からの連動したプレスで奪ったボールから手数を少なくしてショートカウンター。序盤は藤枝順心が押し込む展開になり前半4分、辻澤が思い切ったタイミングでミドルシュート。GKがはじいたこぼれ球をMF久保田真生(3年)が押し込み先制に成功した。

 その後、十文字も豊富な運動量からハイプレスでボールを奪取するように。MF早間美空(3年)が積極的にミドルレンジからシュートを試みる。また、FW本多桃華(1年)からMF三宅万尋(3年)へのDF裏を狙ったスルーパスなどで反撃。だが藤枝順心はアンカーのMF下吉優衣(3年)の危機察知力、そして主将CB大川我流(3年)を中心とした最終ラインが立ちはだかり、失点を許さない。逆に前半アディショナルタイムのラストプレーでMF植本愛実(2年)が左サイドへポジションチェンジしていた辻澤へのスルーパスを通し電光石火のカウンターで追加点を挙げた。

「前半の2ゴールが勝因」と振り返る藤枝順心・中村翔監督。「いずれも十文字さんの特徴を分析して狙っていた形だった」という。先制点を挙げた久保田も「GKがはじくことが多いのは他の試合を見ていて感じていたので、もしかしたら自分のところに転がって来るかもしれないと」準備できていた。前半最後のカウンターに関しても辻澤は「背後が空くのを狙っていた」。

 後半、圧力を強めた十文字は裏への抜け出しから早間のシュート、セットプレーの流れからCB米口和花(3年)のシュートなどでゴールを脅かす。23分には三宅のスルーパスに抜け出した早間のシュート、続いて交代出場していたMF梅本恵(2年)が押し込むが藤枝順心GK菊地優杏(3年)が連続ビッグセーブ。最後のところで失点しない。

「1点どこかで入れば」と苦笑いしていたのは十文字・石山隆之監督。「取られた時間帯は悪かったものの、よくあることではあるので。でも点を取りに行って選手交代してパワープレーやロングキックなど、やってきたことをやるべきところ、わかっているんだけど繋ごうとしてしまったり、最終的にちぐはぐになってしまった」。

 そして逆に30分、「これは厳しかった」と石山監督が言うように、藤枝順心はゴール中央でFW高岡澪(3年)がつぶれ役になってこぼれたボールをフリーのMF葛西唯衣(2年)が左足で豪快にシュート。これが決まり、勝負は決した。

「打倒・順心」と言われることを意識し、全国数多の高校の挑戦を退けてきた藤枝順心の1年間だった。その目標が叶った今、自らさらにハードルを上げることになるが、挑戦を受け入れることでさらにレベルアップを志す流れが止まることはなさそうだ。「次の代に(選手権)三連覇への挑戦権をプレゼントできた」と言う大川キャプテンの言葉が印象深い。

 一方、十文字も昨夏は総体出場を逃した悔しさを力に変えて選手権決勝の場まで勝ち進んできた。「負けに理あり。例えばセットプレーを研ぎ澄ませるなど、修正して整理して、克己心をもって上がってきた結果」(石山監督)。「絶対女王」藤枝順心を目標に、高校女子サッカー界全体が底上げされていく。この大きな潮流がどこまで続くのか、注目だ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 伊藤亮)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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