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[大学選手権]“システムのハメ合い”を制した中京大が仙台大に快勝

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[12.15 大学選手権1回戦 中京大3-0仙台大 BMWス]

 第62回大学サッカー選手権大会の1回戦2日目が15日に行われた。BMWスタジアムで行われた第1試合では中京大(東海2)が仙台大(東北1)を3-0で下し、2年ぶりの初戦突破を決めた。18日に行われる2回戦では鹿屋体育大(九州1)と対戦する。

 相対するシステムから生じるギャップ。中京大の朝倉吉彦監督は戦前からポイントになると予想していた。「相手の4-3-3に対してこっちは3-4-3。チームとしてどっちがハメれるかという勝負だった」。

 ただギャップを突くという点について朝倉監督は戦前から自信を持っていた。「熊谷(達也)くんか菅井(拓也)くんのダブルボランチのどちらか1枚が下がってきてくれれば、ウチにチャンスが出ると思っていた」。朝倉監督の狙い通り、前半から菅井を最終ラインに引き出すことに成功。見事ギャップを突いた中京大が特長を最大限に生かし勝利した。

 FW畑直樹(4年=清水ユース)が奪った2得点はいずれも中京大の特長である攻守の素早い切り替えから生まれたものだった。1点目は前半39分、DFラインから素早いFKでロングボールが前線に入る。「蹴る前に須崎(恭平)くんが蹴るぞって目で合図するのが見えた」。持ち前のスピードで相手DFを振り切った右足で豪快にネットを揺らした。

 後半14分の追加点の場面も、中盤でボールを受けた畑は1点目同様迷わず前へ。1点目のような豪快さはなかったが、コロコロ転がったボールは吸い込まれるようにゴール右隅に収まった。「あの場面でも自分は仕掛けるしかないと思っていました。理想的でした」。自分たちの形が出せたことで畑も自信を深めていた。

 爆発の期待がかかるFW南部健造(3年=東京Vユース)にもゴールが生まれた。終了間際の後半44分、PKを決めて試合を締めくくった。「PKは絶対俺が蹴ります。決めれるんで」と強気な言葉を口にした南部だが、試合内容には不満顔。「僕はきょうは全然走れていなかった。明日試合やってもいいくらい。きょうはみんなに勝たせてもらった」。背番号10は自身の更なるパフォーマンス向上を誓った。

 次なる相手は夏の総理大臣杯の準々決勝で敗れた鹿屋体育大。中2日での厳しい日程となるが、チームは一旦地元に戻って調整をするという。「2日あるので、結構リフレッシュは出来ると思います。中途半端なコンディションでは戦いたくない」。1戦先に消化した分を必ずプラスにしてみせる。

(取材・文 児玉幸洋)

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