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[大学選手権]史上最強・阪南大が高知大から縁起の良い勝利

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[12.15 全日本大学選手権1回戦 阪南大1-0高知大 味スタ西]

 第62回全日本大学サッカー選手権は15日、1回戦を行い、阪南大(関西2)は高知大(四国)と対戦し、1-0で勝利した。卒業後のJクラブ入り内定選手を5人も抱え、『史上最強』の呼び声も高い関西のタレント軍団は、2回戦で国士舘大(関東4)と対戦する。

 9月11日に行われた天皇杯2回戦で、高知大は川崎フロンターレと対戦していた。主力を温存した川崎Fに、最終的には1-3で敗れたものの、高知大は後半6分に一時同点に追い付くなど、プロクラブを相手に健闘した。この日も、そのときと同じように豊富な運動量で序盤は攻勢に出る。しかし、チャンスらしいチャンスをつくれないでいると、徐々に試合の流れは阪南大へ移って行った。

「運動量がポイントでしたね。前半から相手に走らされて、後半は足が止まって、出足が遅くなってルーズになり、(全体が)コンパクトではなくなった」と、高知大の野地照樹監督は試合を振り返り、「阪南大はフロンターレの2軍より、走れるチームだからね。試合前にも選手たちに『天皇杯のときの相手よりも強いぞ』って話していましたから。私も毎年見ていますが、今年の阪南大は、阪南史上最強で間違いないでしょう」と、相手を称賛した。

 実際、序盤に高知大の攻撃を凌いだ阪南大は、MF泉澤仁(4年=新潟ユース)の個人技を中心に、相手の守備を崩していく。前半15分、その泉澤が左サイドを突破して放った強烈なシュートは、GK那谷侑平(4年=県立西宮高)に阻まれる。同27分にも泉澤は再びゴールを狙ったが、シュートは左ポストを叩いた。その後もMF窪田良4年=(東京Vユース)がゲームを組み立て、アタッキングサードにボールを運ぶとFW工藤光輝(4年=札幌U-18)、FW河田篤秀(3年=阪南大高)、MF可児壮隆(4年=川崎U-18)らが細かくパスをつなぎ、攻め込んだ。

 後半に入り、風上に立った阪南大は更に高知大を押し込む。後半19分には窪田のスルーパスを受けた可児が、ドリブルで中央に入り込みシュートを放ったが、わずかにクロスバーを越えて行った。そんな阪南大の攻撃が、ようやく得点につながったのは後半28分だった。左サイドから泉澤がファーポスト前にクロスを入れると、河田が胸で絶妙な折り返しを見せる。そこに詰めていた可児がゴールネットを揺らし、待望の先制点を挙げた。

 その後も阪南大は、後半40分に左サイドから泉澤が中央に切り込み、シュートを放った場面や、同41分に工藤がGKと1対1になったがフィニッシュをクロスバーの上に飛ばしてしまう場面など、決定機をつくり続ける。しかし、勝利を決定づけるゴールは挙げられない。それでも、前半に続き、後半も高知大のシュートを1本に抑えた阪南大が1-0で勝利している。

 試合後、阪南大の須佐徹太郎監督は「工藤も、仁も、その前の可児も…」と、決定力不足により2点目を決められなかったことに苦言を呈しつつも、接戦ながら初戦をモノにできたことを喜んだ。「昨年、総理大臣杯を優勝したときも、初戦は後半30分まで0-0だったんですよ。そこまで河田と工藤を温存していて、仕方なく投入して。そこから2点ですからね」。課題を残しつつも、縁起の良い展開で初戦を突破した阪南大は、中2日で国士舘大と対戦する。

(取材・文 河合拓)

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