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[関西1部]「やっとチームになりかけてきた」タレント軍団・阪南大が逆転Vへ5発勝利

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[11.16 関西学生リーグ1部後期第9節 阪南大5-2大阪産業大 高槻市立萩谷総合運動公園]

 16日、第91回関西学生サッカーリーグ1部後期第9節の阪南大対大阪産業大戦が、高槻市立萩谷総合運動公園(大阪府)で行われた。2位・阪南大はFW工藤光輝(4年=札幌U-18、コンサドーレ札幌内定)の2ゴールなど5-2で6位・大産大に勝利。連敗を止めた。

「やっとチームになりかけてきた」。2試合ぶりの白星を阪南大の須佐徹太郎監督はそう振り返った。前節、先制点をあげながらも関西学院大に逆転負け。「チームとして機能しなければ、いくら面子が揃ってもこんなんになるという典型例を2週間続けちゃって」と苦い表情を浮かべたように、今季初の連敗となり、首位の座を大阪体育大へ明け渡した。リーグ連覇を狙う中での痛い黒星。その中で迎えた今節の相手は前期に逆転負けを喫した大産大。阪南大は主将のMF窪田良(4年=東京Vユース、徳島ヴォルティス内定)を出場停止で欠く不安材料もあったが、「今日はどうしても負けられなかった」というMF可児壮隆(4年=川崎U-18、川崎フロンターレ内定)の言葉通り、一時同点に追いつかれながらも相手を振り切り、3点差をつけて白星を掴んだ。

 試合は阪南大が幸先よく先制する。前半6分、DF二見宏志(4年=奈良育英高、ベガルタ仙台内定)が左サイドのエンドライン際からクロスをあげ、ファーサイドに入った工藤が頭で押し込み1点目。しかし、10分に警戒していた大産大MF江口直生(4年=大阪桐蔭高)に直接FKを決められてしまう。阪南大はすぐさま試合を振り出しに戻されたが、21分だ。PA内で激しくボールを奪い合う混戦の中、工藤がこぼれ球を左足で押し込み、再度リードを奪う。それでも食らいつく大産大。インカレ出場へ負けられない状況下にあるだけに、執念を見せる。39分には、何度もゴール前に切れ込んできたFW薮内健人(1年=G大阪ユース)がPA内に走り込み決定的なシュート。これはわずかにゴール横にそれたが、続く43分、江口の右CKをニアサイドにいたDF満生充(4年=大阪桐蔭高、前水戸ホーリーホック)がヘディングシュートで再びゴールネットを揺らした。前期、逆転負けを喫した時と同じ形で崩された阪南大。警戒していた形だっただけに「前期と同じ形でやられてしまって」と須佐監督も苦言を呈していた。

 阪南大にとっては2度も追いつかれる展開だったが、「追いつかれたけど、ハーフタイムは別にみんな落ち込んでいなかった。監督からも、前回の試合とか、同点にされた後に僕たちの気持ちの面で問題があるっていうような話をしていた」と可児が話したように、メンバーは気持ちを落とさなかった。後半は相手にほとんどボールを持たせず、シュート数も10対2と圧倒し、3点を追加した。まずは15分、可児の中盤からのロングスルーパスに右サイドから走り込んだFW河田篤秀(3年=阪南大高)が反応し、冷静にゴールへ突き刺す。さらに24分には、可児がFW泉澤仁(4年=新潟ユース、大宮アルディージャ内定)とのワンツーパスから左サイドに走り込み、PAに入った泉澤へワンテンポ置いて浮き球のクロス。泉澤がワンタッチで流し込んで4-2とする。32分には駄目押しの5点目。途中出場のFW外山凌(1年=前橋育英高)が自ら獲得したPKをきっちりと決め、大産大を突き放した。そのまま5-2で試合終了。連敗を脱出した。

 試合後、須佐監督は「後半はよく抑えていた」と評価。ただ、3点差をつけての勝利にも「もっとシュートを決めないと」と課題を口にした。ケガ人やプロチームへの練習参加で夏場からなかなかメンバーが揃わなかったチーム状況についても言及し「やっとチームになりかけてきた。そんなもんはもう9月になってないといけないのに。今からですね」とリーグ戦の逆転V、インカレ制覇を見据えて気を引き締めた。首位の大阪体育大が勝利したために勝ち点差3は埋まらなかったが、最終節に直接対決を残しているため優勝の可能性は大いに残っている。残り2節を勝利で飾った先に、リーグ優勝はある。

(取材・文 北野裕子)
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