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[大学選手権]「先制点を取られ慣れている」関学大が阪南大に逆転勝ち

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[12.18 大学選手権準決勝 関学大2-1阪南大 味フィ西]

 第63回全日本大学サッカー選手権大会は18日、味の素フィールド西が丘で準決勝2試合を行った。関西勢対決となった第1試合は、関西学院大が2-1で阪南大を下し、初の決勝進出を決めた。決勝では総理大臣杯との夏冬連覇に挑む、流通経済大と対戦する。

 前半2分、いきなりスコアが動いた。左サイドからのCKを獲得した阪南大は、FW河田篤秀(4年=阪南大高)がクロスボールを上げる。中でDFにクリアされるが、ファーサイドで待っていたMF松下佳貴(3年=松山工高)が左足ダイレクトボレーで合わせると、ボールはゴール左隅に突き刺さり、阪南大に先制点が生まれた。

 だが、関学大が慌てることはなかった。早めに入れたクロスが、スピードの部分でやや劣ってしまったため、ことごとくGK大西将(3年=阪南大高)にキャッチされてしまったが、徐々にリズムを取り返す。成山一郎監督も、「阪南大とやるときはいつも先制点を取られていたので、取られ慣れていた。阪南とやるときは我慢強くやらないといけないと」と慌てず、じっくり進めることをイレブンに促した。

 すると後半、攻撃パターンも増え始めた関学大は、さらに阪南大ゴールに迫りだす。13分にはMF小林成豪(3年=神戸U-18)のミドルのこぼれ球にMF池田優真(3年=作陽高)が詰めるが、大西にキャッチされる。同17分にはゴール前の混戦に呉屋が詰めるが、ゴールネットを揺らすことは出来なかったが、“得点の匂い”を残したまま、試合を進めた。
 
 そしてついに後半27分、MF小幡元輝(4年=名古屋U18)が左サイドを突破。クロスを上げると、待ち構えた呉屋が頭で押し込む。「ホットライン。心強いというか、一番点になる確率が高いですから」と、指揮官も絶対的な自信を持つ関学大最大の攻撃パターンで、試合を振り出しに戻した。

 どちらに転んでもおかしくないゲーム。勝敗を分けたのは、決定力の差だった。関学大は後半43分、センターサークル付近でボールを持った呉屋が前線にスルーパスを通す。これに絶妙な動き出しで池田が走り込むと、左足でゴールに蹴り込み、逆転に成功した。

 今季、直接対決で無敗だった阪南大を相手に勝ち切り、いよいよ決勝戦まで駒を進めた。だが決勝はボランチとしてここまで4試合すべてに先発出場しているMF徳永裕大(2年=G大阪ユース)と、トップ下の小林成豪が累積2枚で出場停止となる。「誰が出ても変わらない」と小林は話したが、影響がゼロではないはずだ。

 ただ泣いても笑っても残り1戦。さらに決勝の相手は夏の総理大臣杯の準決勝で敗れた流通経済大が相手と、モチベーションが上がらないはずはない。主将DF福森直也(4年=金光大阪高)は「きょうの試合をみんなで反省して、しっかり次のゲームに向かわないといけない」とチーム一丸を強調。成山監督も「決勝で勝つために、一年間やってきた。決勝で勝った時に喜ぶことを全員で想像して、しっかり準備してやっていきたい」と力を込めた。

(取材・文 児玉幸洋)
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