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[MOM351]桃山学院大FW岡佳樹(3年)_苦悩から解き放たれたストライカー

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.8 全日本大学選手権1回戦 桃山学院大 2-0 北海道教育大岩見沢校 ギオンス]

 華麗なる肩書とは裏腹に、苦しい一年を過ごしてきた桃山学院大のFW岡佳樹(3年=東山高)が、悩みを晴らすプレーとゴールを見せた。

 前半はチームとして、攻撃が単調になり、無得点に終わったものの、岡自身は「スカウティングで裏のスペースが空くことが分かっていたので、ドンドン仕掛けていこうと思っていた」との言葉通り、立ち上がりからハツラツとしたプレーで見せ場を演出。

 前半19分にはDF熊谷翼(3年=鹿児島城西高)のロングフィードを前線で待ち構えると、相手DFが競ったこぼれを拾い、PAまでドリブルで進出した。同39分にも自陣からのクリアボールをハーフウェーラインで受けると、再びドリブルでゴール前まで持ち込んだが、並走したDF深井祐希(1年=室蘭大谷高)に阻まれた。

 二度のチャンスは活かせなかったものの、見せ場は攻撃だけに留まらない。「監督から、『全員守備、全員攻撃の意志を持てば、良いチームになる』と言われているので、最近はずっと守備を意識している」と口にしたように、中盤まで懸命に戻ってファーストディフェンスとしても機能。35分にはハーフウェーライン右まで下がって相手ボールを奪うと、素早く岩教大DFの背後に浮き球を展開。走り込んだFW中井涼太(3年=大阪体育大浪商高)とは、わずかに合わなかったが、相手を脅かすには十分なプレーだった。

 エースとしての仕事をこなしたのは後半35分。左サイド高い位置でDF岩崎尚将(2年=九州国際大付高)のクリアを受けると、ゴール前にクロスを展開。一度は相手DFに阻まれたものの、岩崎がクロスを再び、ゴール前に渡る。「良いボールが入ったので、折り返しを狙っていたら、思った通りにボールが入った」。そう振り返った通り、MF岩井健人(2年=滝川二高)がヘディングで入れたボールを、ドンピシャで合わせ、決勝点をマークした。

 今夏には、ユニバーシアード代表の一員としてプレーし、関西学生リーグでも10得点をマーク。肩書きだけをみれば、順風満帆な大学生活3年目を過ごしているように見えるが、「調子が上がらず、我慢して試合に出していた」(楚輪博監督)。岡自身も「ユニバのことや、他人の目を気にしてプレーが上手く行かなくて。いろいろ悩んだり、考えたりした」と振り返る。

 苦悩の中から出した答えは「強い気持ちを持つこと」。「周りから何を言われても、自分は自分。強気でプレーすることが大事なんだって気付いた。自分らしさを意識するようになって、上手く行き始めた」と続ける。

「能力はあるんだから、ちゃんと出してくれれば良いだけ。ここから上がってくるはず」と指揮官が信頼を寄せたように、苦悩から放たれた岡からは爆発の予感が漂う。「総理大臣杯に出た1年生の時と違って、緊張よりもやってやろうという思いが強い。次の試合も頑張って、勝利と得点を積み重ねていきたい」という言葉が実現するか注目だ。

(取材・文 森田将義)
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