beacon

[MOM935]明治大FW中村草太(3年)_チーム総シュート1本を確実に仕留めるV弾!決勝も「結果」にこだわる

このエントリーをはてなブックマークに追加

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.21 インカレ準決勝 筑波大0-1明治大 流通経済大学龍ケ崎フィールド]

 放ったシュートはわずか1本。ただ明治大はその1本を確実に仕留めて、決勝へと勝ち上がった。

 決勝弾が決まったのは後半13分、明大は右サイドからDF内田陽介(3年=青森山田高)が入れたクロスをFW太田龍之介(4年=岡山U-18/岡山内定)がキープ。そしてMF熊取谷一星(3年=浜松開誠館高)、MF常盤亨太(3年=FC東京U-18)を経由したボールが、ゴール正面のFW中村草太(3年=前橋育英高)に渡った。

「栗田さん(栗田大輔監督)からトーナメントは思い切りとか大胆さが勝負を分けるといつも言われている。あの瞬間はファーストタッチが決まったんですけど、自分でも思い切って打てたと思います」。利き足とは逆の左足のシュートになったが、ボールは豪快にゴール左隅に突き刺さった。

「(筑波大とは)今季3回目の対戦だったけど、なかなかいいイメージが作れていなかった。でも明治のサッカーが出来なかった中でも、どう自分たちのサッカーを出していくかというところのフォーカスしてきた。ひとつの思いや頑張りの差が、1-0という結果を生んだのかなと思います」

 ストライカーとしての才能が一気に開花した。今季よりFWを主戦場とした中村は、大学リーグ戦で得点を量産。さらに持ち味であるアシストも継続し、最終的には関東1部で史上初となる得点王とアシスト王を同時受賞する快挙を飾った。

 さらに今季は夏にFW佐藤恵允がブレーメンに入団するために退部。夏以降はその佐藤から10番を引き継いで、エースとしての役割をしっかりと担ってきた。「自分はいつもケインさんと比べてしまうところがあった」。だからこそ勝利に導く結果に何よりこだわってきたという。

 今大会、初戦の関西学院大戦は先発したものの、続く仙台大戦は過密日程の影響もあったが途中出場。ただそのいずれもで得点に絡むことが出来ていなかった。「インカレに入ってからなかなか目に見える結果が出せずに、正直チームに居づらかったし、自分の中でもメンタルが落ちていた期間だった。チームを勝利に導けたことはこみ上げてくるものがあるし、監督の期待に応えられたことが嬉しいです」。自身のゴールで導いた勝利の味は、やはり格別だった。

 頂点まであと1勝。25日にカシマスタジアムで行う決勝の相手は、今季の関西学生リーグを優勝した京都産業大に決まった。「まずはチームのために走って戦うこと、今日みたいに結果こだわってやっていきたいと思います」。リーグ戦の終盤はぎっくり腰で離脱することもあったが、もうその不安もないという。紫紺の10番が4年ぶりとなる日本一タイトルへと導く。

(取材・文 児玉幸洋)

●第72回全日本大学選手権(インカレ)特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

TOP