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U-20女子代表はアメリカとの親善試合連勝ならず、敗戦を「絶対優勝したい」U-20女子W杯の糧に

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[6.20 親善試合 U-20日本女子代表 0-2 U-20アメリカ女子代表]

 今年8月から日本で開催されるU-20女子W杯を控えるU-20日本女子代表(ヤングなでしこ)が20日、大阪府内でU-20アメリカ女子代表と親善試合を行い、0-2で敗れた。

 過去5回のU-20女子W杯のうち2度優勝しているアメリカとの2連戦の成績は1勝1敗で終了。地元開催の世界大会へ向けた試金石となる2試合を終えた吉田弘監督は「昨年も6月にアメリカ遠征をして対等にできた。ある程度対等にできるな、という手ごたえを得ています。どうしたら得点できるか、どうしたら得点されないかのところを詰めていきたい」とW杯での躍進へ向けたポイントを口にしていた。

 18日に長居陸上競技場で開催された第1戦は後半36分にMF田中陽子(I神戸)の決めた決勝ゴールで1-0で勝利した日本だったが、そこから左SB仲田歩夢(I神戸)を除く先発10名を入れ替えて臨んだ第2戦は、後半半ばまでアメリカに主導権を握られた。MF藤田のぞみ(浦和L)とMF川島はるな(移籍調整中)を軸に攻める日本だったが、横の揺さぶりに対応してくるアメリカの守りを攻略することができず、結局縦パスやサイドにつけようとしたボールを狙われてインターセプトから押し返されてしまう。

 吉田監督も「やりたいことができずに向こうにボールを支配されることが多かった。そこをこっちがボールを支配して、相手を動かす、その中からチャンスを作っていかないといけない」と語っていたが、攻めきれなかった日本は前半41分にFWマヤ・ヘイズに先制点を献上。後半もミスからカウンターを食らうなど、危ない場面の連続だった。

 それでもCB坂本理保(浦和L) の好守など1点差のまま試合を進めた日本は、後半半ばからCB木下栞(日テレ)やMF猶本光(浦和L)ら主力を次々と投入。ここから流れが日本へと傾いた。ボランチに入った猶本がDF間で上手くボールを引き出すと「意識したのはサイドチェンジ。同サイドに人数をかけてきていたので逆サイドが空いているなと感じていた。(相手を)寄せて(サイド)変えることを意識していた」とボールサイドに寄ってくるアメリカの守りの薄い方へと素早くボールを動かし、攻撃を活性化させる。

 そして仲田や田中の縦への推進力も活かして攻めた日本は26分、猶本からのパスを受けたMF柴田華絵(浦和L)がPAへスルーパス。これに走りこんだFW道上彩花(常盤木学園高)が右ポスト直撃の右足シュートを放つと、31分には左スローインからボールをつなぎ、最後はFW横山久美(岡山湯郷)が右足を振りぬいた。

 それでも32分にSBの背後を取られてFWチオマ・アボガグに2点目を奪われた日本。直後に柴田が出したディフェンスラインのギャップを突くスルーパスで強引にDFの前に出た横山がゴールへねじ込んだが、オフサイドの判定で点差を詰めることができなかった。

 快足SBクリスタル・ダンや逸材FWリンジー・ホラーンら圧倒的な運動能力を誇る相手に食い下がりながらも、この日の日本はスコアに表すことができなかった。それでも自分たちが今後、世界大会の準決勝、決勝で勝ち切るために何をしなければならないか選手たちは分かっている。チームリーダーの木下は「PAまではいい感じで崩していけたと思うけれど、PAから先のところで決めていければいいということと、守備の面では相手の身体能力が高いので、もう少し守備の準備、リスクマネージメントを上げていければいいと思います。パスで回せるのは日本の特長なのでもっと広くグラウンドを使いたいですし、簡単に取られないように人数をかけて運べればいい」。

 今回の主力は10年U-17女子W杯で準優勝したメンバー。猶本は「悔しい思いをしているので20では絶対優勝したいと思っています」。にわかに注目度が上がってきている中、強豪との戦いを繰り返しながら準備を進めるヤングなでしこが今秋、なでしこJAPANに続く世界一へ挑戦する。

[写真]横山中心にアメリカへ迫った日本だが得点できず
(取材・文 吉田太郎)

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