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女子W杯決勝以来の復活弾、澤「ロンドンでピークに持っていければ」

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[7.11 キリンチャレンジ杯 日本女子代表3-0オーストラリア女子代表 国立]

 360日ぶりの感触だった。日本女子代表(なでしこジャパン)のMF澤穂希(INAC神戸)が壮行試合で復活弾だ。2-0で迎えた後半13分、MF宮間あやの左CKのこぼれ球を右足ダイレクトで蹴り込むダメ押しゴール。昨年7月17日の女子W杯決勝・アメリカ戦で延長後半12分に決めた劇的な同点ゴール以来、約1年ぶりとなる代表戦でのゴールに「久しぶりでうれしかった。サッカー選手として国立でゴールが取れるのは特別なもの。W杯以来のゴールだったので、うれしかった」と白い歯をこぼした。

 一時は五輪メンバーからの落選も覚悟するほど追い込まれていた。3月のポルトガル遠征中に宿舎でめまいを起こし、突如倒れた。帰国後の診断は良性発作性頭位めまい症。長期離脱を強いられ、6月のスウェーデン遠征で代表復帰を果たしたものの、コンディションがなかなか上がらず、「(五輪代表に)選んでもらえるかどうか不安だった。とにかく素直にうれしかったし、一言で言うと、ホッとした」と率直な心境を吐露していた。

「苦しい時間が長かったけど、あるときを境に吹っ切れて、サッカーが楽しいと思えるようになった」。そのきっかけはやはり今月2日の五輪メンバー発表だった。「いろんな気分転換もしたけど、メンバー発表があって、ハッキリした部分もあった」。目の前に迫った自身4度目の五輪。目標が明確になったことで迷いはなくなった。

 佐々木則夫監督も「昨日の練習を見た感じで(相手との)間やプレスの中での感覚などを取り戻してきていると感じていた」と、順調な回復ぶりを指摘。「点を取ったことは、本人にとってもチームにとってもよかった」と手放しで喜んだ。

「一番ピークのときの自信にはまだだけど、戻ってきた部分もある。ロンドンでピークに持っていければいいなと思っています」。澤に戻ってきた自信と笑顔。五輪での悲願のメダル獲得へ、頼れる背番号10の完全復活はもうすぐだ。

(取材・文 西山紘平)

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