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下馬評覆し胸張る権田「1位突破すると思ってた人は一人もいない」

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[8.1 ロンドン五輪D組 日本0-0ホンジュラス コベントリー]

 確かにだれもが予期できない結果だったかもしれない。初戦でスペインを下し、2勝1分のD組首位でグループリーグを突破。試合後、ミックスゾーンに姿を見せたGK権田修一は第一声で「絶対に1位で突破すると思っていた人はここに一人もいないと思う。それがうれしい」と胸を張った。

 先発5人を入れ替えた試合で、勝利こそ挙げられなかったが、首位通過という最大の目的は達した。「全員が準備できているというのが、試合を見てもらって分かったと思う」。守護神はチームの総合力に手応えを口にする。

「もし今日、(永井)謙佑やキヨ(清武)、タカ(扇原)が先発で出て、あれだけ走れたどうか。そこがチームの生命線だし、だれが出てもできるというのを見せられたと思う」

 これまで出番のなかった控え組に実戦の感覚、五輪の雰囲気をつかませる意味でのターンオーバーだが、中2日の連戦が続く中、もしも主力組がそのまま先発していたら、この日のような運動量は出せなかったのではないか。チームを最後尾から見守る権田はそう感じていた。

「試合の次の日に(主力組が)リカバーしているとき、(控え組は)人数が少ない中でフィジカルとかきつい練習をしている。モチベーションが難しい中でもがんばっていた」。控え組の奮闘を何よりも喜ぶ権田は「18人全員で行けた1位通過」と力説した。

 その一方で、チームを引き締めることも忘れない。3試合連続無失点の堅守は、豊富な運動量に裏打ちされた前線からの連動したディフェンスがあってこそ。だれか一人でもさぼれば、“自慢”の守備は決壊する。

「3試合無失点だからこのまま無失点でいけるとあぐらをかいたら、いつやられてもおかしくない。今日も大津が(ボールを)失った選手を追い越して取り返したシーンがあったけど、そういう姿勢が3試合無失点につながっている」

 3試合無失点は出場16チームで日本とメキシコの2チームだけだが、3試合で2得点も8強入りしたチームの中では韓国と並んで最少の数字だ。「1-0、1-0、0-0で来ているし、そこが生命線」。紙一重の差で手にした首位突破だったことも忘れてはならない。

(取材・文 西山紘平)

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