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なでしこジャパン 帰国会見コメント

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 ロンドン五輪で日本サッカー史上初となる銀メダルを獲得した日本女子代表(なでしこジャパン)は11日、日本に帰国し、千葉県内で帰国会見を行った。

以下、選手コメント

●FW安藤梢(デュイスブルク)
―ロンドン五輪を終えて?
「喜びだけでなく、悔しさもあります。自分自身、あまりピッチに立てず悔しい気持ちもありますけど、今までみんなでチームとしてやってきたことなので、チームとして結果が出たことは嬉しく思います」
―メダルを取った時の心境は?
「メダルを取ったときは、もちろん今のチームメイトやスタッフと一緒に取ったのですが、それだけではなくて…。自分はアテネから代表に入っていて、一つずつ結果を伸ばして来て今があると思うので、先輩たちの顔が浮かびましたし、先輩たちにこのメダルが取れたことを報告したいと思います」
―今後の予定は?
「1週間くらいはオフですね。まだドイツに戻る日は決まっていないので」
―五輪前に浦和でのイベントで「また戻りたい」と話していたが?
「そういう気持ちはありますが、特に今そういう話はないです。浦和のサポーターを見たら懐かしく思いましたし、またこういう中でサッカーできたらという気持ちはありますが、特に話はありません」
―またドイツでプレーを続ける?
「そうですね。基本的には」
―五輪は終わったが、今後の目標は?
「まずはロンドン五輪を目指してやってきて終わったところなので。しっかり自分の中で考えたいと思いますが、チームは9月からリーグ戦がスタートするので、体を休めてからチームで結果を残すことに集中したいと思います」

●FW岩渕真奈(日テレ・ベレーザ)
―五輪を終えて今後、積み上げていきたいことは?
「次の五輪だけではなく、しっかりベレーザみたいに(代表でも)中心になれるようにしたい。このチームから何人抜けるか分かりませんが、責任感とかは大切にしていきたいです。どの部分を積み上げるかと言われると分かりませんが、いろいろな部分を伸ばしてしっかり頑張りたいなと思います」
―五輪で通用した部分、通用しなかった部分は?
「100%の状態で臨めなかったことが一番悔しいので、その質問は難しいですね。痛みは、まぁ、多少。でも、大丈夫です」
―代表の先輩から学んだことは?
「いろんな素晴らしい選手がいるので。宮間さんだったり、澤さんだったり、それぞれ個性がある中でしっかりチームをまとめてくれました。団体競技なので、チームって大切だと思います。なでしこの良かった部分はそういう部分だと思うので、それはこれからも継続して、自分たちなりにやっていけたらいいかなと思います」
―引っ張る立場になる?
「ピッチ外で語るのは、あまり好きではないので(笑)。プレーでしっかり引っ張れるように頑張りたいなと思います」
―大学の宿題は終わった?
「全部やりました。宿題というか、レポートですね。やっていないと思われがちですが、そこはギャップですね(笑)。英語の宿題とかは手伝ってもらったりして、やりました。持つべきものは友達、仲間です」
―今は何がしたい?
「練習がしたいです」
―「遊びたい」とかではなく?
「試合もあまり出ていないですし、疲れも多少はありますが、いろんな人に比べたら全然ないので。とりあえず足をちゃんと治してやりたいです」
―リーグ杯も出る?
「わかりませんが、U-17、U-20がいないと思うので。ベレーザも人数が少ないので」
―クラブからのオフは休む?
「(オフを)与えられたのですが、『明日から行きます』と言ってしまいました」
―悔しいから?
「悔しいというより、オフがあってもやることがないですし、今まで毎日、馬鹿みたいにサッカーをやってきたので。本当にサッカーしかないのかなと考えたら、やるしかないし。新しい目標もしっかりまたできたので。そこに向かってやりたいと思います」
―大会後、佐々木監督に託された言葉は?
「特にないです」
―ウェンブリーの印象は?
「大きいなぁくらい。歓声とか、ウェーブがすごかったですね」
―食べたいものは?
「日本食も向こうで食べてきたし、ご飯も食べられなくなかったし、特にないですね」
―飛行機の席がビジネスだったが?
「(フライト時間が)早く感じますよね(笑)。あっという間でした」

●DF近賀ゆかり(INAC神戸)
「これから先、目指すのは金メダルしかありません。また、しっかり準備をしていきたいと思います。(ロンドン五輪で)日本らしいサッカーっていうのも、足りないところがたくさんあったと思いますし、その中でも通じたこともあったと思います。これからも日本の良さを出し、もっと他の質を上げないと金メダルには届かないと思ったので、そこを伝えていかないといけないと思いますし、伝える役割を担っていければなと思います」

●MF澤穂希(INAC神戸)
―あらためて銀メダルはいかがですか?
「目標にしていた金メダルには届きませんでしたが、ずっと目標にしてきた五輪でのメダルは嬉しかったですね。自分が代表に入ってからずっと目標にしてきた五輪のメダルなので、18年、19年という長い年月がかかりましたが、19年分の重みがあるメダルです」
―大会が終わった瞬間はどんな心境に?
「この最高の仲間たちと1分でも1秒でもサッカーをしていたいなと思いましたし、もっともっとこのメンバーで1試合でも多く戦いたい残念な気持ちも、金メダルを取れなかった悔しさも、でも、メダルを取れたホッとした気持ちもありました」
―飛行機の中はぐっすり寝ていた?
「そうですね。(決勝の)キックオフが遅くて、表彰式を終えてから(帰国の)支度とかをして、その次の日にもテレビの仕事があってあまり寝ていなかったので。飛行機の中では寝ていました」
―久しぶりに寝れましたか?
「いや、そんなことはなくて(笑)。毎日8時間くらいはぐっすり寝れていました」
―日本に戻って来て、空港も人が多かった?
「W杯のときもたくさんの方が来てくれていましたが、今日もカメラの台数が多かったですし、たくさんの方々に応援していただいたことを感じました」
―W杯から激動の1年だったと思いますが?
「そうですね。W杯以降忙しかったですし、今年に入ってからケガだったり、病気だったり、自分にとってすごく苦しい時期もありましたけど、またこうしてサッカーができる喜びもまたすごく感じましたし、五輪のこのメンバーでやれる最後の試合だったので。この18人のメンバーの中にいられて、幸せだなと思いました」
―年明けからキャプテンは宮間選手になったが?
「あやがキャプテンをやるようになってから良かったというか、あやは責任感が強いですし、オフのところも選手に気配りをしていて、チームのためにすごく戦ってくれました。本当に頼もしい宮間キャプテンだったと思います」
―印象に残る宮間選手の言葉は?
「いっぱいありすぎて、これっていうのは…。試合前のコメントとかは、みんなの涙を誘うような。あやの一言、一言はすごく重くて、みんなすごくジーンとくる言葉が多かったですね。どの言葉もアヤの言ってくれた言葉は、心に残りました」
―決勝前に澤選手はどんな言葉をかけたのですか?
「全然です。最後、あやに『なんかしゃべって』って頼んだくらいでした(笑)」
―どんな思いで決勝のピッチに立ちましたか?
「決勝戦はアメリカという最高の相手でしたし、サッカー選手として自分を成長させてくれた場所で一緒に戦ったメンバーと、ああいう形で試合ができたことは嬉しかったです。一言では表せないのですが、8万人のお客さんの中で大好きなサッカーができたというのは、自分のサッカー人生のなかで、ベストいくつですかね。それに入るような瞬間でした」
―試合後はワンバック選手と抱き合っていた?
「前回のW杯のときはアメリカが負けて、その中でワンバック選手も悔しい中でも『おめでとう、誇りに思うよ』と言ってくれていましたし、今回、自分たちもすごい悔しかったですけど、アメリカの素晴らしいプレーというか、ワンバック選手のそういうフェアプレーを感じていたので、私も『おめでとう、ワンバック選手のことを誇りに思うよ』と声をかけました」
―ワンバック選手の存在も大きい?
「そうですね。いつもアメリカと対戦すると点を取られるような、本当にアメリカのエースストライカーなので。そのワンバック選手と09年、10年アメリカのリーグでチームメイトになれたことは自分にとっても大きな事でしたし、戦友というか、自分を成長させてくれた選手の一人だったと思います」
―W杯と合わせると1勝1敗です。再戦したい?
「そうですね。また機会があればって思います。次の代表の試合がいつとかまだ分からないので。でも、そうですね、1勝1敗なので、もう1試合やれたらいいなと思います」
―大会前は集大成と話していたが、今後は?
「今日帰ってきたばかりなので、まだ答えは出ていないのですが、リーグ戦とカップ戦と全日本選手権があるので。そちらに気持ちを切り替えて、結果を残すことかなと思います」
―4年後は?
「でも、もう33ですからね(笑)。どうですかね。そこまではまだやっぱり考えられないです」

●DF鮫島彩(仙台レディース)
―日本に帰ってきて、あらためて感じることは?
「このメダルに対する思いは一言では表せないのですが、自分だけではなく、チーム全員のいろんな思いが詰まっているので、すごく誇りに思います」
―空港には多くの人が迎えていたが?
「本当に多くの人がなでしこに期待してくださって、すごい声援を送ってくださっていたんだなということを、あらためて感じました。大会中もきっといろいろな声があったと思いますが、それもすべて含めて、なでしこに声援を送ってくれた人々に感謝したいと思います」
―銀メダルを取るターニングポイントになったことは?
「これってはっきり言えるものはありませんが、一つひとつの親善試合とか、合宿とか、今大会でも予選をやっているうちはなかなかチームがまとまらないなと感じることがありましたが、大会中にも全員で一体感を出していけましたし、一試合一試合、成長できた部分があったと思います。ここという一つの出来事より、一つひとつ、みんなで積み上げてきたことが、このメダルにつながったと思います」
―大会でもっとも印象に残っている場面は?
「すべてです(笑)」
―アメリカ戦はW杯の再戦だったが、どんな気持ち?
「決勝だからとか、相手がアメリカだとか関係なく、いつもと同じ気持ちで、絶対に勝つという気持ちでやりました」
―90分を終えた瞬間の気持ちは?
「もちろん悔しい気持ちが一番大きかったですし、この大事な仲間たちのために、自分が貢献できたかと言われるとそうではなかったですし…。やっぱりそういう悔しい気持ちがたくさんあります。でも、この舞台でこの仲間と戦えたことはすごく誇れることだなと感じました」
―大会後に話した中で印象に残ることは?
「毎試合ごとの試合前の円陣での言葉もそうですし、決勝を終えてからも円陣を組んだのですが、そこでもみんなで『この仲間でサッカーができて良かったね』という話はしました。本当に最高のチームだったと思います」
―これからはどんなサッカー人生を描いている?
「まずは少し休んで、頭を整理して、その後は仙台でまたそこでも大事な仲間が待っていてくれますので、そこでみんなのために全力でプレーしたいと思います」
―4年後は?
「まずは4年後というより、この先仙台に行ってからのことを一番に考えてプレーしていきたいと思います」

阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)
―おめでとうございます。
「ありがとうございます」
―帰ってきて空港の雰囲気はいかがでしたか?
「カメラの台数が増えたのは去年からだったので、想像はついていたのですが、まさかあんなにファンの方々にも来ていただけると思っていなかったので。不思議な気持ちでした」
―あらためて銀メダルの重みは?
「ホンマにメッチャ重いんですよ。W杯(のメダル)と全然違くて。メダリストだなって思います」
―ご自身にとって五輪の銀メダルの意味は?
「チームとして、個人としてもですが、金メダルを目指していたので悔しい気持ちは残るんですけど、私自身、この期間、このチームで試合ができたので良かったと思います」
―この仲間でサッカーをして印象的なことは?
「宮間選手を中心にミーティングしたりして、チームが一つになった感じがします。彼女の言葉は全部印象に残っていますが、決勝の前に…準決勝の前だったかな? そのときに話していた『みんながいなければ、ここまで来れなかった』という言葉にはジーンときました」
―決勝の前の心境は?
「最高の舞台で申し分のない相手とできたので、ここまで来たら絶対に金メダルを取ってやろうと思っていました。取れなかったのは残念ですが、ホンマに良い経験になりました」
―終わった瞬間は?
「終わった瞬間は、あのピッチに立つことができなくて、ベンチから見ていたんですけど、本当にチームが一丸となって頑張っていたので、良かったと思いました」
―この大会、澤選手とのコンビで感じたことは?
「ポルトガルのときに体調を崩されて、本当は一番自分が苦しかったと思うんですけど、そんな姿も周りに見せずに、本当に頑張っている姿に勇気をもらいました」
―この1年、どう振り返りますか?
「自分自身、移籍もあってバタバタしていたのですが、こういう結果になったのですべて良かったと思います」
―ホッとしたと思いますが、今やりたいことは?
「リアルに焼き肉食べに行きたいです(笑)」
―ご両親、ご家族には連絡を取った?
「家族は決勝も見に来てくれていたので、帰って来てからもすぐに連絡しました。『美味しいもの食べや』っていう他人事のようなメールが返ってきました(笑)」
―これから先の目標は?
「代表活動はここで終わりましたが、これからみんなチームに戻って、カップ戦やリーグ戦があるので、また切り替えて頑張りたいと思います」
―4年後は?
「もちろんリベンジしたい気持ちもありますが、まずはチームに帰って、やるべきことをしっかりやって、そこからしっかり考えたいと思います」

●MF川澄奈穂美(INAC神戸)
―おめでとうございます。
「はい。ありがとうございます」
―成田空港はすごい人でしたが?
「関心の高さとか、みなさまにすごく応援されていたことが分かって嬉しかったです」
―1年前は驚いて帰ってきましたが、見える景色は変わった?
「いえ、それは変わらないですね。本当に大きな声援を送ってくれていたんだなと、W杯のときと同じだなと感じました」
―銀メダルの重み、取った意味は?
「初めて持ったときは、重さとして重たいなと思いましたが、まだちょっとしか経っていませんが、メダルの色は金ではなかったですが、このチームでいられた時間の重さと、本当にものすごく大切なメダルになるなとすでに感じています」
―決勝は素晴らしい舞台、どんな気持ちだった?
「サッカーの聖地ウェンブリーであんなに大勢の方の前でプレーできたことは、サッカー選手として幸せだなと感じながらプレーしましたし、負けはしましたが、ピッチ上の22人全員が味方に見えて、敵と戦っているわけではなくて、サッカーを愛する仲間があの場にいて、みなさんに素晴らしいと言っていただける試合ができたことを誇りに思います」
―このメンバーで最後の試合、終了後は何を感じた?
「不思議と終わったなという感じはしなくて、もっともっとやっていたい、もっともっとできるんじゃないかなと思ったんですけど。終わったときは本当にいつも通りというか、そういう感じでした。時間が経つにつれて、このメンバーでできることはもうないんだろうなと感じます」
―大会で印象に残った場面は?
「そういうのが多すぎて…。どんなときでも笑顔でいられるのが、なでしこの強さかなと思います。本当につらいときにいつも隣にいてくれるのは仲間でしたし、苦しい時期も、それぞれあったと思いますけど、そういうことを一緒に戦った仲間だからこそ、最後の最後まで信頼し合って、メダルを取ることができたのかなという感じです」
―決勝の前に何か言葉をかけた?
「そういうのは苦手なので、特別なことは言っていません(笑)」
―初めての五輪だったが?
「緊張とかプレッシャーはなくて、チャレンジャーとして挑んだ楽しい大会でした」
―今後、新しい代表づくりへ気持ち切り替えられる?
「どういうメンバーがいても、どういう感じでやっても、自分がそこに入りたいという気持ちは変わりませんし、そういうところを目指してやらないと成長はないと思っています。しっかりといろいろな自覚を持ってやっていきたいなと思います」
―新潟戦は代表の4人が帯同しない。星川監督就任後、無敗が続いているが大丈夫か?
「INACは負けないです(笑)」
―高瀬選手とか海堀選手に期待?
「その辺のメンバーには良い意味でのプライドもありますし、国内に残っている選手を見ても、なでしこ(ジャパン)で十分にやれる実力を持っています。外国人選手もしかり。個の部分はありますが、INACはチームとしてやっている部分が出ているので、全く問題ないと思います」
―銀メダルを獲得した、これからの先の目標は?
「自分の中でサッカー選手としてのゴールはありません。目標や夢に向かってやることはありますが、それが達成されても選手として完成されたわけではないので。現役である以上、それは変わらない自分の思いです。もし、今回金メダルを取れていても、その思いは変わらなかったと思います」
―近い未来の目標は?
「次のW杯や五輪という世界大会に向けて自分がどうこうというはっきりした気持ちはありませんが、日々の積み重ねでやっていることで明確になるでしょうし、本当に4年後、8年後、12年後…現役をやっていたときに、今が無駄にならないような日々を過ごしたいなと思います」
―12年後、アラフォーになっていますよ(笑)?
「たとえ話ですよ(笑)」
―12年後、女子W杯もあるかも?
「そこはまだ考えづらいですけどね」
―飛行機の中は?
「良いフライトでした。というか、大体寝ていたので(笑)」
―ビジネスを経験すると、戻れない?
「でも、1回W杯の帰りも自分から上がちょうどビジネスだったんです。全体の半分くらいが乗せていただいて。そのときも乗りましたが、あまり贅沢してはいけないなと思いました。それは今も変わりませんね」
―メダルという大きな目標を達成したが、次の五輪は?
「選手としてやっている以上は、次回を目指して、上を目指すと言うのは当然のことだと思います。でも、それはW杯だったり、五輪に行きたいという気持ちというより、選手としてまだ成長したいという気持ちが強いです」

●FW丸山桂里奈(大阪高槻)
―おかえりなさい。
「ありがとうございます。無事に帰ってきました」
―銀メダルの重みはいかがですか?
「W杯に優勝してから、私はケガをして、それから復帰をしてからの大会だったので。いろんな意味で、持っても重いメダルですけど、ロンドンを目指してきた想いもすごい強かったので、金メダル以上の銀メダルだと思って、胸を張って帰ってきました」
―決勝戦が終わった瞬間?
「負けて悔しかった気持ちと、このメンバーで戦えるのもこの試合で最後だなと思ったら、涙があふれてきましたね」
―周りの選手を見たときは?
「本当に北京から4年間、ロンドンの金メダルを目指してノリさんに付いてきましたので。北京のときにいなかったメンバーもいますが、W杯もこのメンバーで戦えたので。そこで金メダルを取れなかったのは悔しかったのですが、このメンバーで戦えたことは幸せだなと思いました。でも、涙は止められませんでした」
―ブログで涙もろいと書いていたが?
「本当に涙もろくて…。さっきミーティングでもアヤが一言しゃべったんですけど、号泣ですよ」
―どんな言葉だったんですか?
「『このメンバーで戦えたことを幸せに思うし、代表活動がなくなるけど、一人ひとりの選手はみんな心の中にいるよ』と言ってくれて、ジーンと来てしまいました」
―大会中も印象に残った言葉は?
「ロッカールームで『一人ひとり大切な人がいて、今まで頑張ってこれたから、そういう人たちに一生懸命な姿を見せられるように頑張ろう』という言葉や『自分を信じることもそうだけど、仲間はもっと自分以上に信じよう』と言っていたことが印象に残っています」
―大会中はどんな思いでいた?
「ケガをして、チームメイトにも支えられて、また一緒にサッカーをしたいと思ってくじけず頑張れたので、みんなを応援しようと思いました。今のなでしこは、みんながチームに良いことを考えて行動できるので、自分がベンチでも、ピッチに11人戦っていますが、ベンチからみんなが盛り上げて、しっかりピンチにも声を出そうとまとまっていたので、そういう気持ちで応援していました」
―自身のプレーについては?
「決勝トーナメントに入るにつれて、コンディションも良かったですし、プレーでもノリさんに褒められることが増えてきたので、もっと出たかったという気持ちもありますけど、最後の決勝の舞台で、ウェンブリーで、アメリカとの試合でピッチに立てたことは、ケガをしたときのことを考えたら奇跡だったなと思う。力をピッチで出し切れたかと言われると、そうではない部分もありますが、気持ちとしては全部出し切ってきたので、良かったかなと思います」
―ヒザをケガして澤選手に話を聞いたそうだが?
「今回は以前よりもいろいろな話をしました。今まで以上に澤さんも思いを持っている大会でしたし、自分も決勝ではピッチに立てるチャンスがあるかなと思っていたので『ゴールを決めたら澤さんのところに一番に行くね』という話は、試合前の夜にメールで送って。澤さんも『最後まであきらめないで走るから』と言ってくれたんで。自分がもっと出られたら良かったんですが、最後のピッチに立てたのは、これからの人生においても良かったかなと思います」
―今何をしたい?
「今はホッとしていますし、一番は実家に帰って、両親と過ごしたいという思いがありますが、高槻は新しい監督に代わったので、早くチームに戻ってサッカーをしたいという気持ちが強いです」
―サッカーの面白さ、醍醐味を感じた?
「そうですね。今までサッカーは当たり前にやってきましたが、自分にとってかけがえのないものですし、サッカーをやっているときが、一番自分らしくいられる時だと思うので。今は大会が終わってこの先どうなるか分かりませんが、チームに戻って、五輪で学んだことや経験をチームに反映出来たらいいなと思います」
―ロンドン五輪はどんな大会でしたか?
「サッカー人生を懸けた大会でした」

(取材 河合拓)

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