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「19年分の重みのあるメダル」と語るMF澤、アメリカとの再戦も希望

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 長年にわたって女子日本代表を引っ張ってきたMF澤穂希。帰国後の会見では「自分が代表に入ってから、ずっと目標にしてきた五輪のメダル。19年という長い年月がかかりましたが、19年分の重みがあるメダルです」と、銀メダルを掲げて見せた。

 17歳で初めて出場した96年のアトランタ五輪はグループリーグ敗退。00年のシドニー五輪はアジア予選で敗退した。04年のアテネ五輪はベスト8、そして08年の北京五輪が4位。今回、4大会目にして初めて辿り着いた決勝の舞台。しかも、相手はアメリカ。澤は特別な思いでピッチに立っていたという。

「決勝戦はアメリカという最高の相手でしたし、サッカー選手として自分を成長させてくれた場所でした。そこで一緒に戦ったメンバーと、ああいう形で試合ができたことは嬉しかったです。一言では表せないのですが、8万人のお客さんの中で大好きなサッカーができたというのは、自分のサッカー人生のなかで、ベストいくつですかね(笑)。それに入るような瞬間でした」

 1-2で試合終了のホイッスルが鳴った瞬間は、多くの思いが込み上げてきた、と振り返る。

「この最高の仲間たちと1分でも1秒でもサッカーをしていたいなと思いましたし、もっともっとこのメンバーで1試合でも多く戦いたい。そういう残念な気持ちも、金メダルを取れなかった悔しさも、でも、メダルを取れたというホッとした気持ちもありました」

 試合後には、09年、10年とワシントン・フリーダムでチームメイトだったFWアビー・ワンバックと抱き合い、言葉を交わしていた。

「前回のW杯のときはアメリカが負けて、ワンバック選手も悔しい中でも『おめでとう、誇りに思うよ』と言ってくれていました。今回自分たちもすごい悔しかったですけど、アメリカの素晴らしいプレーとか、ワンバック選手のそういうフェアプレーを感じていたので、私も『おめでとう、ワンバック選手のことを誇りに思うよ』と声をかけました」

 これでW杯の決勝ではPK戦の末に、日本が勝利した。今回の五輪と合わせれば1勝1敗。そう指摘されると、澤は「機会があれば」と笑顔で語った。

「また機会があればって思いますね。次の代表の試合がいつとかまだ分からないので。そうですね、1勝1敗なので、もう1試合やれたらいいなと思いますね」

 今後の代表活動については、「今日帰ってきたばかりなので、まだ答えは出ていません」と話す澤だが、やはり頭の中はサッカーのことでいっぱいなのだろう。

「リーグ戦とカップ戦と全日本選手権があるので、そちらに気持ちを切り替えて、結果を残すことかなと思います!!」

(取材・文 河合拓)

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