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帰国した関塚監督「今大会がスタートになればいい」

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 44年ぶりに五輪でベスト4に進出した関塚ジャパンが、12日に帰国した。千葉県内で会見を行った関塚隆監督は、「精いっぱいやるべきことはやったなという気持ちがあります」と、充実の表情を見せた。

 3位決定戦で韓国に0-2で敗れ、メダルこそ持ち帰れなかった。しかし、関塚ジャパンが持ち帰ったものは小さくない。6試合、すべてを異なる会場で戦い、サッカーの母国の空気に触れた。同年代の選手たちと戦って大会を勝ち上がり、自信を深めた選手たちだけでなく、関塚監督自身も大きな手応えをつかんだ。今後、W杯などで強豪国と呼ばれる国々と戦うことになっても「戦えないことはない」と強調する。

「(日本代表が世界と)戦えないことはないと思います。日本の良さを出せば、決して戦えないことはない。今大会でスペインは調子を崩しましたが、崩したのは我々だと思っていますから。大会の入り方は非常に重要なことだと思いますし、これからもっと世界で成績を残していくためには、今回が一つのスタートになればいいと思います」

 日本代表コーチという肩書もある関塚監督だが、15日に行われるベネズエラ戦はベンチ入りしない。また、日本サッカー協会との契約も8月で切れるため、今後どういう立場になるか決まっていないという。

「今日はキリンの一番搾りを飲んで、ゆっくりします」と笑ったメガネの指揮官について、原技術委員長は「本人の意思を尊重しますが、五輪代表監督ができるということで、コーチもやっていたと思うので、どうなるか分からない」と語っている。五輪という大舞台を終えた指揮官自身も「いいっすね。緊張感があって」と戦いの日々を振り返り、監督という立場を望んでいる様子をうかがわせた。

 今後、ロンドン五輪代表選手の中から、フル代表に招集される選手も増えてくるだろう。やはり、2年にわたってこの世代とともに五輪を目指して来た関塚監督も、特別な感情があるようで「今後も見続けていきますよ」と語っている。

「これは(五輪に)出場した選手だけでなく、ここで外れた選手たち、年代(別の最後の大会に出られなかった)の悔しさもあると思いますし、そこをバネにまた奮起して、次のステップで頭角を表してもらいたいと思います。ここからは、またそこ(フル代表)に向けた競争がすべてのプレーヤーたちにとっても始まると思います」

 世界と戦えるという手応え、そして悔しさを持ち帰った関塚ジャパン。一つの戦いは終わったが、すでに新たな競争が始まっている。

(取材・文 河合拓)

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