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[SBSカップ]「不甲斐ない」デビュー戦から2日、ポープ・ウィリアムがU-19代表日韓戦勝利のヒーローに

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[8.19 SBSカップ国際ユースサッカー U-19日本代表 0-0(PK4-3)U-19韓国代表 エコパ]
 
 アメリカ人の父と日本人の母を持つGKポープ・ウィリアム(東京Vユース)がU-19日本代表を救った。0-0で突入したPK戦、ともに2人が決めて迎えた3人目で守護神は右へ飛んで完ぺきにセーブ。渾身のガッツポーズで喜んだポープの気迫と勢いにのまれてか、最後は韓国の5人目のシュートがクロスバー上方へ外れて日本の勝利が決まった。

 ポープは15日に静岡合宿中のU-19代表を一時離れ、東京Vユースと横河武蔵野FCとの天皇杯予選に出場したが、PK戦にもつれ込んだその試合では1本も止めることができなかった。決してPK戦は得意ではない。それだけに韓国戦後は「不安はあったけれど、止められて良かった」とホッとした表情を浮かべていた。

 東京都日野市出身でインパクト十分の名前も英語を話すことはできないというポープは、今回のSBSカップが初のU-19日本代表招集。これまで代表入りは意識しておらず「ビックリすぎる。ウソだろ、と思いました」と驚きを明かす。ただデビュー戦となった17日の静岡ユース戦ではファーストプレーでFWを倒してPKを献上するなど試合開始からわずか7分間で2失点を喫してしまった。「不甲斐ない」と振り返るデビュー戦。だが主力GK櫛引政敏(清水)がふくらはぎを痛めていることもあり、優勝を懸けた日韓戦で再びチャンスが回ってきた。「自分的には立ち上がり集中して入れた」というGKは前半終了間際にMFイ・グァンフンのゴール至近距離からの右足シュートを左手ワンハンドで弾き出すなど集中したプレーで韓国をゼロに抑えると、最後はPK戦でヒーローとなった。

 187cmの長身と抜群のシュートストップでゴールを守るポープについて、U-19代表の吉田靖監督はその高い能力と将来性に期待。まだ安定感が高いとは言いがたく、指揮官も「チームに初めてきて仕方ない部分もあるが、少し彼がオドオドすると、ディフェンスラインがオドオドするという面があった」と指摘する。ただ、U-19代表のGK争いは、昨年のU-17W杯で日本の守護神を務めたGK中村航輔(柏U-18)の負傷離脱していることもあり、吉田監督が「まだレギュラーは決まっていない」という混戦。ポープは「(今回学んだこと、代表定着へ向けて)チームへ戻って意識しながらできるか」。日韓戦のヒーローはメンバー生き残りを目指してチームで再びアピールする。

(取材・文 吉田太郎)

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