beacon

PKゴールで韓国リベンジに弾みをつけた猶本

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.26 U-20女子W杯A組 日本4-0スイス 国立]

 スイス相手にとどめの一発。決勝トーナメントに弾みをつけるヤングなでしこの4点目を決めたのはMF猶本光だった。

 後半39分。推進力のあるドリブルで敵陣を切り裂き、ペナルティーエリア内でGKのファウルを誘う。与えられたPKのチャンスで自らキッカーを名乗り出た猶本は「思い切って蹴ることができました」とゴール左上に突き刺し、会心のガッツポーズを見せた。

 これで4-0。後半7分に3点目が入ったことで大勢は決していたが、その後は試合全体の動きが止まってしまい、1万6914人のファンの声援も滞りがちになっていた。そういった流れで入った意義ある4点目。猶本は「大量点を取って、勢いをつけて決勝トーナメントに進むことができる」と笑顔を浮かべた。

 ボランチとして3試合連続先発し、チームを牽引した。ダブルボランチの相棒は過去2試合でコンビを組んだ藤田のぞみではなく、この日は田中陽子(INAC神戸)。だが、中盤でバランスを取りつつ、機を見て絶妙なラストパスを出すという仕事ぶりに変わりはない。

 特に前半は浦和レッズレディースの同僚でもあるトップ下の柴田華絵へのスルーパスが冴えた。柴田のシュートがポストに阻まれるなど、残念ながらゴールには至らなかったが、「スルーパスを出すときにつくるタメには“走ってくれ!”という意志を込めています」と、ハッキリと意図を持ったパスを心がけている。

 準々決勝の相手は10年のU-17女子W杯決勝で対戦し、3-3でPK戦までもつれて敗れた宿敵、韓国。「あのときの悔しさは忘れていません。多くの選手が今回もメンバーに入っていますし」と今も記憶に鮮明だ。

「でもあのときと今を比べると自分も成長しているし、チームも違っている。今回は負ける気がしない。絶対に勝ちたい」。猶本の目がキラリと輝いた。

(取材・文 矢内由美子)

▼関連リンク
U-20女子W杯2012特集ページ

TOP