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本田がジーコを警戒、日本代表監督として「いい意味で期待に応えていた」

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 日本をよく知る敵将を警戒した。11日のW杯アジア最終予選・イラク戦(埼玉)に向けて埼玉合宿中の日本代表は8日、埼玉県内で非公開練習を行い、練習後にMF本田圭佑(CSKAモスクワ)が報道陣の取材に対応した。「やれることをきっちりやって、みんなの期待に応えられるようにがんばりたい」。静かに闘志を燃やす背番号4は「内容、結果ともに満足いくものにしたい」と必勝を誓った。

 イラクを率いるのは、02年の日韓W杯後、06年のドイツW杯まで4年間日本を指揮したジーコ監督だ。6日のUAE戦(1-0)後、テレビインタビューで「ジーコとの駆け引きは始まっている」と語ったという本田は、その真意を問われ、「イラクの監督がジーコなので。ジーコがイラクの選手に日本はこういうタイプだからこうやって戦うと話しているかもしれない。そういう意味」と答えた。

「サポーターが満足いくようなメンバー構成を組む監督だったのかなというイメージ。いい意味で期待に応えていたと思う」。本田がA代表に初招集されたのはオシム元監督時代の06年11月15日のアジア杯予選・サウジアラビア戦で、A代表デビューは岡田武史前監督時代の08年6月22日のW杯アジア3次予選・バーレーン戦。ジーコ監督のことを直接知るわけではない。

 一方でジーコ監督が日本を率いていたのも6年前まで。当時と今とでは選手もチームのスタイルも違う。グループリーグ敗退に終わったドイツW杯では成し遂げられなかった決勝トーナメント進出を果たした南アフリカW杯から2年。日本代表としての成長と進化をジーコ監督に見せつけることができるか。

「俺は代表に6年前からいるわけではない。ヤットさん(遠藤)が代表は変わってきていると言うなら分かるけど、俺自身は(主力として試合に出るようになった)この2年間で変わったという実感はそこまでない」。そう冷静に話す本田だが、「選手として成長するためにサッカーをやっている。自分が納得できるために、欲を言えばみんなを喜ばせるためにサッカーをやっている。相手がどう分析してこようと、自分のスタイルは変わらない」と指摘。相手がどうあれ、自分たちのサッカーをすれば勝てる自信はある。

「香川との連係は世界一になるために不可欠か?」と聞かれると、「不可欠なものだと思うし、僕と(香川)真司だけよくても世界一になれない。周りに絡んでくる選手も質を高めないといけない」と強調した。「質を高めるには、次の試合だけがんばっても高まるものではない。そこをそれぞれの選手が意識して、顔は合わせないけど、所属リーグで過ごしているときが一番大事になってくる時間。こういう合宿はそれを確認する場だと思っている」。代表での活動は限られているからこそ、どんな合宿もどんな試合も貴重な機会になる。

 目先の勝利と遠い先の目標を常に同時進行で目指す本田は「このイラク戦は2年後を見据えた試合。僕にとっては大事な試合」と力説。最終予選の重要な1試合であると同時に、世界一を目指す2年後のブラジルW杯に向けた“試金石”としても位置付けていた。

(取材・文 西山紘平)

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