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初招集を喜ぶFP森岡(名古屋)「ずっと夢だった」

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 Fリーグ最強のピヴォ(サッカーでいうFW)が、ついに日の丸を着る。名古屋オーシャンズに所属するFP森岡薫が、横浜FCのFW三浦知良とともに、ミゲル・ロドリゴ監督の率いる日本代表に初招集された。ゲキサカの取材に応じた森岡は「ずっと夢だった。こうして日本代表の話ができることが嬉しい」と喜びを語っている。

 積年の夢だった。Fリーグ1年目の07年、そして昨シーズンと、リーグ史上唯一2回のMVPを受賞している。その名前から、日本人であると思われていたが、ペルー国籍の日系3世だった森岡は、日本代表に入ることはできなかった。しかし、8月2日に3度目の帰化申請が認められ、日本代表入りを果たした。08年のW杯南米予選前には、ペルー代表からも招集がかかり、代表合宿に参加。しかし、日本代表入りを目指すために、ペルー代表としてプレーすることはなかった。

 名古屋に入った直後は、帰化が認められなかった直後と言うこともあり「当時は名古屋で成功しよう。このチームで中心になろう」と考え、日本代表入りを意識しなかったという。しかし、06年5月5日に日本代表がブラジル代表を招き、親善試合を代々木体育館で行った。この試合を見たことで、森岡の意識が変わった。

「初めて日本代表の試合を見に行って、自分の中で考えが変わりましたね。それを見て、このピッチに立ちたいと思うようになりました。同じ名古屋のチームメイトが週末の試合を終えて、代表合宿に行く姿を見送りながら、内心では『悔しいな。オレも行きたいな』とずっと思っていた」

 フットサルを見続けて来た人にとっては、森岡の代表入りはビッグニュースだ。しかし、世間が最も注目するのは、サッカー界の生ける伝説・三浦知良のフットサル代表入りだろう。だが、森岡は「ラッキーだ」と話す。

「僕もカズさんと一緒のタイミングで呼ばれたので、ラッキーですよね。多く取り上げてもらえると思いますし、フットサルを盛り上げてもらえると思う」

 タイW杯を戦う14人のメンバーに残れば、名古屋オーシャンズのチームメイトであるFPリカルジーニョを擁するポルトガル代表とも戦う。名古屋の練習場では、すでに仮想ポルトガルが行なわれていると、森岡は笑いながら明かした。

「練習からふざけ合って、お互いに『ケガをさせてやる!!』って練習からやり合っていますよ(笑)。でも、日本人が多いから、絶対に負けませんよね。これまでこうやって日本代表の話はできなかったので、こういう話ができるだけで、結構嬉しいです」

 Fリーグで通算100ゴール以上を挙げた33歳の金狼は、24日からの合宿が待ちきれない様子だった。

(取材・文 河合拓)

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