beacon

歴史的快挙にも平静のFP木暮「ウクライナ戦では結果だけでなく、内容でも圧倒する」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[10.24 フットサル国際親善試合 日本代表 3-3 ブラジル代表 代々木第一体育館]

 歴史的な快挙にも、キャプテンは冷静だった。フットサル日本代表は24日、フットサル・ブラジル代表と対戦し、3-3で引き分けた。過去の対戦で12戦全敗だった日本だが、今回、初めて引き分けという結果を残すことができた。

 日本代表として12年間にわたってプレーしているFP木暮賢一郎は、その半分以上の試合に出場している。中には08年W杯の1-12という試合のような大敗もあった。だからこそ、初めての引き分けという結果に感慨はあったはずだが、木暮は「今日のブラジルと本番のブラジルは違う。向こうもしっかりとスカウティングをしてくると思う」と、1週間後に迫った本大会を見据えて冷静に振り返った。

 ミゲル・ロドリゴ監督は前日会見で「恐怖心をなくすために戦う」と、この一戦の意義を語っていたが、木暮はその成果はあったという。「今日の対戦が(本大会で)活きてくるはず。結果として僕らにとって良い結果。当然、(前線からプレスを掛ける戦い方に)リスクはあるが、ゴールという結果を出せているという点では、良い部分もある。14人というグループで、足りない部分は皆で補いながら戦うスタイルは出来つつある」。

 後半のブラジル代表は、ピヴォのFPジェが、筋肉に張りを訴えたこともあり、出場しなかった。日本はピヴォの選手がいる状況で、難しい対応を迫られていただけに、彼の不在はありがたかった。だが、本大会ではこうはいかないだろう。木暮もまた、彼らのピヴォ当て(ピヴォにクサビのボールを入れる戦術)への警戒心を強めていた。

「彼らのストロングポイントはピヴォ当てという部分でもある。当てられ方や当てられた後の対応という部分は、しっかり修正できると思う。逆に言ったら(ピヴォに)当てさせないくらい、良いプレスをかけることもやっていかないといけない」

 04年のW杯台湾大会の前に、日本はアルゼンチン代表と親善試合を行っている。本大会でベスト4入りした相手に3-1で勝利した日本だったが、肝心のW杯ではパラグアイ戦(4-5)、イタリア戦(0-5)で2敗し、グループステージ最終戦のアメリカ戦も1-1の引き分けに終わり、大会を去っていた。その大会も経験している木暮は、今回の歴史的な結果にも、慢心はないという。

「試合が終わった直後にも、『次のウクライナ戦は勝たないといけない』ということも話してきたし、今回の結果で気が緩むということもない。次のウクライナ戦では、結果だけでなく内容でも圧倒してタイに入りたい」と、木暮は視線を27日のウクライナ戦に向けた。

(取材・文 河合拓)

TOP