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1年半ぶりに3-4-3をテストも 今野「感覚的にはある」

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 ザックジャパンが約半年ぶりに練習で3-4-3をテストした。冒頭15分のみ公開された28日の練習ではフィールド選手が3-4-3の布陣に配置され、サイドからの攻撃の形などを確認。30日のブルガリア戦(豊田ス)、6月4日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)、11日の同イラク戦(ドーハ)、そしてコンフェデレーションズ杯(ブラジル)と約1か月続く代表シリーズの中で、3-4-3が久々に復活する可能性が出てきた。

 11年6月のキリン杯ではペルー戦(0-0)、チェコ戦(0-0)ともに3-4-3でスタートし、同年10月7日のベトナム戦(1-0)も前半は3-4-3で戦った。同年11月15日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦(0-1)もリードを許したあとの後半17分から3-4-3にシステム変更したが、その後はW杯アジア最終予選が始まったこともあり、練習の中でも3-4-3に取り組む機会はほとんどなかった。昨年10月の欧州遠征中に練習で4バックとともに3バックを確認する場面はあったが、それも実戦で試されることはなかった。

 ブルガリア戦か、あるいはオーストラリア戦でW杯出場を決めた場合のイラク戦か、それともコンフェデレーションズ杯か。どこかで約1年半ぶりに3-4-3を試すことはあるのか。ミーティングや練習でのアルベルト・ザッケローニ監督の言動をもとにDF今野泰幸は「感覚的には、あると思う」と証言し、DF吉田麻也も「(代表の活動が)1か月近く続くので、長い期間集まればコミュニケーションも深まるし、いろんなことを試そうという意味だと思う」と受け止める。

 3-4-3をチームの新たな武器にしたいという思いは監督も選手も同じだ。今野が「オプションになればいいと思うし、もっと成熟すれば面白いと思う」と、4-2-3-1との併用を歓迎すれば、吉田も「やろうとしているサッカーは変わらないけど、それぞれのフォーメーションにそれぞれの特長がある。うまく使い分けていければ」と意欲的に語った。

「(4バックのときよりも)横ズレを早くしないといけないし、ビルドアップでも少し仕掛けながら相手を引き出してからのパスとかが重要になる。(CBも)少し攻撃的になると思う」(今野)

「DFは4枚のときより運動量が増えるので、そこは意識していきたい。3バックのサイドの2枚は、いい球出しの起点にならないといけないし、そこは大事」(吉田)

 守備陣も4バックと3バックの役割の違いは、頭の中で整理できている。ただ、これまではなかなか試合の中で内容と結果に結び付けることができなかったのも事実。それでも、1年後に迫ったW杯本大会を見据え、指揮官の胸の内で今も“伝家の宝刀”へのこだわりが根強いのは間違いなさそうだ。

(取材・文 西山紘平)

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