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ブルガリア戦へザックが3-4-3採用を示唆、香川「より攻撃に専念できる」

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 日本代表は29日、試合会場の豊田スタジアムで公式練習を行い、30日のブルガリア戦に向けて最終調整した。練習後に公式会見を行ったアルベルト・ザッケローニ監督は、ブルガリア戦で3-4-3をテストしたい考えを明らかにした。

 前日28日、約半年ぶりに練習の中で3-4-3を確認した日本代表だが、この日の前日練習でも同様の時間があったという。「この先の試合で必要となる場面が出てくるかもしれないので、トレーニングした」。練習の意図をそう明かした指揮官は「明日の試合は、これから長く続く公式戦前の唯一の親善試合。唯一、トライできる試合であり、確認したいことは2つある」と指摘。その中で選手のコンディションの確認とともに挙げたのが「3-4-3のオプションを試す時間があるのか、また、その時間がどれだけあるのか」だった。

 実戦で3-4-3を採用すれば、後半途中から3-4-3にシステム変更した11月15日のW杯アジア3次予選・北朝鮮戦(0-1)以来、約1年半ぶり。これまで11年6月のキリン杯ではペルー戦(0-0)、チェコ戦(0-0)ともに3-4-3でスタートし、同年10月7日のベトナム戦(1-0)も前半は3-4-3で戦った。しかし、いずれもなかなか内容に結び付けることができず、その後はW杯アジア最終予選が始まったこともあり、一時“棚上げ状態”となっていた。

 3-4-3なら3トップの左で先発が濃厚なFW香川真司(マンチェスター・U)はブルガリア戦で3-4-3を試すかどうかについて「たぶんやると思う。そのための準備もしている」と明言。4-2-3-1の左サイドとの違いについては「まったくない。ゴールに直結するプレーをやっていきたい」と意気込んだ。

 ブルガリア戦は6月1日にロシア杯決勝を控えるMF本田圭佑(CSKAモスクワ)が不在ということもあり、トップ下を置かない3-4-3を時間限定でも試す可能性がある。トップ下不在のシステムについて「その分、ボランチが押し上げる必要があると思う。後ろも3枚いるので、中盤がどんどん飛び出さないと前の3枚が孤立する」と指摘した香川は自分自身の役割に関しては「より攻撃に専念できるというか、守備の負担が減ると思う」と言った。

 W杯アジア最終予選突破後のコンフェデレーションズ杯、さらには来年のW杯本大会を見据え、3-4-3は本当にオプションになるのか。「スタートから3-4-3をやりそうか?」という報道陣の質問に「やるんじゃないですかね」と笑顔で即答した香川。現実的には試合途中でのシステムが濃厚で、香川なりの“陽動作戦”のようにも聞こえたが、約1年半ぶりの3-4-3復活が現実味を帯びてきた。

(取材・文 西山紘平)

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