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[練習試合]南野2戦連発もU-18日本代表候補は千葉に1-3敗戦

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[6.12 練習試合 U-18日本代表候補1-3千葉 ユナイテッドパーク]

 15年U-20W杯を目指すU-18日本代表候補は千葉合宿4日目の12日、ジェフユナイテッド千葉と練習試合(45分2本)を行った。0-1の1本目45分にFW南野拓実(C大阪)が同点ゴールを決めたものの、2本目に突き放されて1-3で敗れた。

 チームにとって初めてとなるJクラブとの練習試合。これまで戦ってきた大学生相手にはボールを支配して攻める展開の多かったU-18代表候補だが、この日はFWジャイールやFW大塚翔平、DF大岩一貴らが先発した千葉にボールを握られた。特にメンバー全員が入れ替わった2本目はほとんど中盤のラインを越えることができず。鈴木政一監督からは守備面のポジショニングについて指摘する声が飛び、10日の順天堂大戦のように左の内田裕斗(G大阪ユース)と右の広瀬陸斗(浦和ユース)の両SBたちが攻撃で目立つ展開にはならなかった。U-19日本代表として昨年のAFC U-19選手権(U-20W杯アジア最終予選)を経験しているMF松本昌也(大分)は「大学生と違ってプレッシャーも速いですし、もっともっと判断良く動かさないと、ボールを動かせないなと思いましたし、なかなか自分たちの守備で奪うことができなかった。相手のミスでしか奪うことができなかったので、自分たちが仕掛けて行ってボールを奪うという守備をしなければいけない」と振り返った。

 それでも1本目は三浦弦太(清水)と内山裕貴(札幌U-18)の両CB中心に相手アタッカー陣に食らいつく。簡単には攻撃をスピードアップさせず、最終局面での突破を許さなかった。逆に深井一希(札幌)と川辺駿(広島ユース)がダイレクトパスをつないでプレッシャーを外し、相手守備網に穴を開けようとする。14分には右サイドをえぐったMF関根貴大(浦和ユース)のラストパスをニアサイドでFW越智大和(広島ユース)が合わせ、39分には左中間から個人技で抜けだした南野がGKと1対1となるなどチャンスもつくった。

 ただ、1本目44分、相手のドリブル突破を阻むことができず、左中間からMF藤本修司に左足で決められて失点。無失点で終えることはできなかった。それでも直後、左サイドのMF小屋松知哉(京都橘高)からパスを受けた南野が左中間から縦に仕掛けてディフェンスラインを突破すると、左足で同点ゴールをねじ込む。ルーキーながらC大阪で全試合出場しているエース候補・南野の練習試合2試合連続ゴールで1本目は1-1で終えた。

 2本目はパス精度を欠くなどなかなか前線へボールをつけることができず、ほとんどの時間帯で守備に追われることとなった。ボールを奪ってもミスで失い、ポゼッションしながら攻めてくる千葉にプレッシャーも外されてしまう。4分には簡単に中央突破を許すと、MFナム・スンウに決められて1-2。16分にはディフェンスラインでボールを動かすも相手の守備にハメられると、最後はバックパスを詰められ、クリアしようとしたGKのキックをナム・スンウにゴールヘ押し込まれてしまう。

 1-3。その後は相手のミスに助けられたこともあってディフェンスラインで攻撃を食い止め、失点を重ねることはなかった。攻撃面では38分にMF梅村晴貴(磐田U-18)が右足ミドルを放つと、42分には前線でボールをキープしたFW矢島輝一(F東京U-18)を起点にボールを動かし、MF望月嶺臣(名古屋)の強烈な右足シュートがゴールを捉える。GKが弾いたこぼれ球に反応した左SB高橋壮也(立正大淞南高)が決定的な形でシュートへ持ち込んだが、ゴールを破ることはできない。また43分にはMF谷村憲一(山形)が中盤を豪快なドリブルで切り裂き、左前方でフリーのFW金子翔太(JFAアカデミー福島、清水エスパルス加入内定)へ正確なパス。すぐさま仕掛けた金子が右足を振りぬいたが、シュートはGK正面を突いて追撃することはできなかった。

 U-20W杯は現在、3大会連続でアジア予選敗退中。世界舞台から遠ざかっているが、南野や松本、望月、高木と11年U-17W杯8強メンバーが軸となる今回は世界切符奪還への期待値も高い。その中でチームはベースとなるメンバーをある程度固定しながら、初選出の選手を組み込んでチーム作りを進めている。松本は「今回はU-17の代表でやっている選手が多いので、コンビネーションという面では取れていると思いますし、分かっている部分だったりというのもある。良いサッカーができていると思う。でもまだ守備の面など課題がある。修正していけばもっと良いチームになると思う」と語った一方、U-19代表として臨んだ昨年のAFC U-19選手権準々決勝敗退も経験しているだけに「勝負強さというものをもっともっと個人個人が意識しなければ、アジアでは戦っていけない」と厳しかった。いい内容のサッカーも見せているU-18代表候補だが、対外試合は現在5試合連続で白星がない。結果も出しながらチーム作りを進めていけるか。同代表候補は13日に流通経済大と練習試合を行い、5日間の千葉合宿を打ち上げる。

(取材・文 吉田太郎)

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