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香川は元気回復。イタリア攻略のイメージ万全

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 30度近い気温。じりじりと照りつける太陽。ブラジリア滞在最終日となった17日午前(日本時間17日夜)の練習場には、表情に明るさを取り戻しつつあるMF香川真司(マンチェスター・U)の姿があった。

 練習は冒頭15分が報道陣に公開され、その後、約1時間は非公開。ボールを使ったメニューが終わったあと、再び報道陣に練習が公開されたときには、香川は短パンの裾を内側に折り曲げるブルマー姿になっていた。

 暑さの中、しっかりと体を動かした様子が伝わる。ロッカールームに引き上げるときにはスパイクも脱ぎ、芝の感触を楽しむような足取り。ブラジル戦後の、この世の果てに足を踏み入れたような表情はもうなかった。

「(昨夜の)イタリア戦はテレビで見た。バロテッリの身体能力には気をつけないといけないけど、ブラジルより個の力はないと思う。ピルロにしても、守備はあまり上手じゃない」

 この言葉から分かるのは、イタリア攻略のイメージがしっかりと頭の中にでき上がっているということだ。

 メキシコ戦のイタリアは4-3-3でアンカーのピルロの両脇斜め前にデ・ロッシとモントリーボがいて、トリプルボランチを組んでいた。ピルロがあまり動かないとなれば、その両脇をサイドに引き出すことでバイタルにスペースができる。バイタルでのコンビネーションプレーは香川と本田圭佑(CSKAモスクワ)が最も得意としているもの。ここに長友佑都(インテル)が加わってバイタルの左側を突くことでチャンスをつくっていこうというものだ。

 ただし、単純にスペースがあればそれでいいというわけではない。香川は言う。

「ブラジルはチャンスのときに攻守において走力があった。速かった。僕らに足りなかったのはその速さ。バイタルでボールを受けて走り込んでいくときのスピードが必要。メリハリをつけてやりたい」

 チャレンジすることすらできなかったブラジル戦の二の舞を演じることだけはしたくない。ブラジルから学んだことを生かし、アタッキングサードで躍動する香川本来の姿をイタリア戦で見せることができれば、日本は勝利に近づくはずだ。

(取材・文 矢内由美子)

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