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被災地の子供たちと交流、柿谷は少年時代の練習法を明かす

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 日本代表は12日、仙台市内に集合し、14日のウルグアイ戦(宮城ス)に向けて合宿を開始した。練習には11年3月11日の東日本大震災で被災した宮城県内の小中学生約250人を招待。練習前に行われた交流会では、子供たちから選手への質問を受け付けたほか、グラウンドで一緒に記念撮影した。

 子供たちからはさまざまな質問が飛んだ。「どうしたらうまくトラップできるか?」と聞かれたFW柿谷曜一朗(C大阪)は「子供のころはコーチにボールを思い切り上に蹴ってもらって、それを落とさずにリフティングする練習をしていた。それが今につながっていると思う」と回答。「今までで一番印象に残っている試合は?」という質問にMF本田圭佑(CSKAモスクワ)は「2010年のW杯が自分を大きく変化させてくれた大会だと思っている。1試合というより、あの大会が僕にとって大きなものだった」と答えた。

「一番怖い選手は?」という質問にはDF吉田麻也(サウサンプトン)が「川島選手です。顔が怖いですから、試合中」と答え、「一番ご飯食べる選手は?」と聞かれると、本田が「普段は川島選手が食事する時間が長くて、最後までたくさん食べています」と、この日は不在だったGK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)の名前を挙げていた。

 ざっくばらんな質問にも笑顔で応じる中、「世界に通用する日本のサッカーは?」という難しい質問に本田は真剣な表情でマイクを取り、「勝ったことがないので僕が思っているだけだけど、相手がボールを保持したときに時間を与えず、前線からプレッシャーに行く。できるだけ高い位置でボールを奪って攻撃につなげる。全部がうまくいかないし、(自分たちの)裏が空くので、そこはみんなで協力しながら粘り強く守備をするということが、コンフェデレーションズ杯で得た手応えであり、まだまだ質を高めていかないといけないと思った2つの要素だった」と、自分なりの考えを熱く語った。

 交流会を終えると、子供たちはスタンドから練習を見守った。MF長谷部誠(ボルフスブルク)は「子供たちの中には緊張していた子もいると思うし、小さくてよく分からない子もいたと思う。ただ、次の試合をテレビなどで見て、『こないだこの選手たちに会ったんだ』とか『かっこいいな』とか思ってくれて、サッカー選手を目指してくれたりしたら、それはサッカー選手冥利に尽きる。だから次はピッチの上で、今日の触れ合いをもっと意味のあるものにしたいと思う」と、ウルグアイ戦に向けて決意を新たにしていた。

(取材・文 西山紘平)

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