beacon

本田ら海外組と初練習、柿谷「オーラがあった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 海外組と“初競演”だ。14日のウルグアイ戦(宮城ス)に向けて仙台市内で合宿を開始した日本代表。初日の練習では、東アジア杯で3ゴールを挙げ、大会得点王に輝いたFW柿谷曜一朗(C大阪)が主力組の1トップに入った。

 トップ下はMF本田圭佑(CSKAモスクワ)。この日の練習はFW香川真司(マンチェスター・U)、FW岡崎慎司(マインツ)、DF内田篤人(シャルケ)らが不在だったが、国内組のみで臨んだ東アジア杯から一転、海外組中心のフルメンバーで戦うウルグアイ戦でも柿谷が1トップで先発する可能性が高まった。

「軽めの調整だったけど、楽しかったというか、新鮮だった」。東アジア杯では不在だった本田、MF長谷部誠(ボルフスブルク)、MF遠藤保仁(G大阪)ら常連組に混ざっての初練習。柿谷は「オーラは練習じゃなくても、ホテルで会ったときからあった」と、その存在感に圧倒された。

 練習中には本田から直接、声をかけられるシーンもあった。「攻撃のときの話。自由にやれるところは自由にやろうと。僕が一番前に入っていたけど、(トップ下の本田と)入れ替わってもいいという話だった。練習中は(チームの)やり方があるけど、試合になったら臨機応変にやろうと」。緊張、遠慮を隠せない柿谷に対し、自ら歩み寄り、コミュニケーションを取った本田。23歳のニューヒーローは「気を遣ってくれて、『ストレスを感じないようにやってくれ』と言われた」と感謝し、「僕も思い切ってやるし、一緒にいいゴールが生まれるようにやりたい」と意気込んだ。

 海外組に柿谷が加わり、どんな相乗効果が生まれるか。ファン・サポーターだけでなく、チームメイトも期待を寄せる。DF今野泰幸(G大阪)は「天才と呼ばれる2人が並ぶと、見ていておもしろいし、後ろから見ていてたぶんすごいんだろうなと思った」と、本田と柿谷が縦に並ぶ攻撃陣を頼もしく見ていた。コンフェデレーションズ杯で3戦全敗に終わり、メンバーの硬直化も指摘される中、新たな刺激を求めていたザックジャパン。柿谷が本田や香川らとどんなコンビネーションを見せるのか。ウルグアイ戦でのプレーが、来年のブラジルW杯に向けた試金石にもなる。

 代表常連であるFW前田遼一(磐田)、FWハーフナー・マイク(フィテッセ)の招集を見送り、東アジア杯で活躍した柿谷、FW豊田陽平(鳥栖)を引き続き選出したザッケローニ監督も、新戦力の台頭を待っている。「チャンスというか、試合に出る、出ないに関係なく勝ちたい。出たときには活躍したいし、チームのコンセプトを守って、そのうえで勝ちたい」。鮮烈デビューを飾った東アジア杯から2週間。ブラジルW杯に向けた真の“サバイバル”が始まる。

(取材・文 西山紘平)

TOP