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日本vsガーナ 試合前日のザッケローニ監督会見要旨

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 日本代表は9日、試合会場の日産スタジアムで公式練習を行い、10日のガーナ戦に向けて最終調整した。

以下、練習後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―センターフォワードに求めていることは? 柿谷、大迫のプレーをどう評価しているか?
「まず『センターフォワードはこうでなくてはいけない』というものはない。センターフォワードと言っても、異なるタイプのセンターフォワードがいる。ボックス内で仕事をする選手、中央突破が得意な選手、サイドからの攻撃が得意な選手、中央のところで素早いコンビネーションを出せる選手、ポストプレーが得意な選手、連係にはかかわらないがゴールの数は多い選手など、さまざまなセンターフォワードが存在する。

 大迫も柿谷もそういった意味では異なるセンターフォワードだと思う。大迫はチームの後ろと絡みながらプレーできる選手で、最近では背負って受けるだけでなく、マークの外し方や裏に抜けるタイミングもうまくなっている。特に国内でやっているときには、ボールを受けてキープしてチームメイトが上がる時間を稼ぐ、タメをつくるというところがよくできている。空中戦にも強いタイプで、クロスボールに対する入り方もうまい。空中戦でのポストプレーも使えると思う。

 柿谷と大迫に共通して言えるのは、他のメンバーと絡みながらプレーできるということ。攻撃のときにコンビネーションを出しながら関わっていくのが好きなタイプと言える。柿谷は特にDFラインと駆け引きをして、裏に抜けてボールを受けるのが得意なタイプ。チームと絡みながらゴールに向かうのが好きな2人のFWだが、細かく言うと異なるタイプだと思う。共通しているのは、2人ともJリーグでいい活躍をしているということ。2人だけでなく、他にも活躍している選手がJリーグにはいる」

―ガーナ戦で最も重視することは?
「ガーナには、我々と比べてまさっている点がある。長い距離のスピードとフィジカルは、我々より少し上だと思う。我々はチーム力で戦わないといけない。あとは相手に的を絞らせないようなプレーをして、極力、フィジカルコンタクトのないところにボールを運ぶ戦い方をしたほうがいい。ガーナは先のW杯でもいい結果を残しているし、技術面、フィジカル面で高いレベルにある。戦う姿勢のあるチームで、普通のアフリカのチームと比べると、労を惜しまない特長を持っている。親善試合を親善試合と捉えないメンタル面のアプローチが得意で、実際にガーナの親善試合を見ると、かなりいい結果を残している」

―岡崎が離脱したことによる影響は?
「岡崎には前線での守備もあるし、何より彼がいることで裏へのチョイスが出る。それは今までの代表の試合で証明してきている。代わりに入る工藤や清武は少し異なるタイプの2選手。彼らに合ったやり方、彼らがやりやすいやり方を探したい。裏へのチョイスは減るが、コンビネーションの精度は高まると思う」

―グアテマラ戦は試合前から交代カードを決めていたようだが、明日は現在のベストメンバーで臨むのか?
「2試合目ということで、次に試合がないので、そういった意味でコンディションのマネジメントはしなくて済む。当然そうなると思うが、その中でも見てみたい選手はいるので、そこはうまく見ながらやっていきたい。ウルグアイ戦、ガーナ戦、これから行く欧州では、戦いを通じてチームとして成長していかないといけない。戦いを通じて自信をなくすようなことはしてほしくない。結果は大切だが、W杯に向けてチームとしてしっかり準備を進めていくうえで内容や成長が大切になる」

―グアテマラ戦後に決定力を課題に挙げていたが、アフリカのディフェンスの特徴をどう考えているか? そのうえでそこから点を取るには?
「決定力不足というか、決め切る力がないということは話した。具体的にどういうことかと言うと、ゴール前でチャンスがあったときに、シュートを決め切る力を付けるということを言いたかった。アフリカのチームのディフェンスの特徴を聞かれ、それに対してうちのFWが決定力を高めるためにどうしたらいいかを聞かれたが、その2つは直に結びつかないというところが正直ある。アフリカのディフェンスの特徴を話したうえで、唯一、話ができるのは、そういった特徴を持った相手に対してどれだけチャンスの数を演出できるかということ。決定力や決め切る力には直接は結びつかない。

 一つはチームメイトにできるだけフリーな状態でシュートを打たせる、つまりチャンスを演出する。次の作業としては決定力を付ける。できるだけゴールの確率を増やす。グアテマラ戦で言うと、一つ目の段階はできていた。そのおかげで29回シュートまで至っている(実際にはシュート25本)。しかし、次の段階に入ると、実際にゴールに入ったのは3つしかなかった。29回シュートを打っているということは、3分に1回シュートを打った計算になる。そういう意味で3点以上取らないといけない試合だった。明日のガーナ戦はそこまでチャンスはないとも思っている」

―ガーナは主力数人が来日していないが?
「ザンビア戦のスタメン11人のうち3人が来日していないが(実際は4人)、そんなに多くはないと思う。我々にとっては大切なテストの場になる」

(取材・文 西山紘平)

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