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日本vsガーナ 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[9.10 キリンチャレンジ杯 日本3-1ガーナ 日産ス]

 日本代表は10日、キリンチャレンジ杯でガーナ代表と対戦し、3-1の逆転勝利を飾った。前半24分に先制を許したが、後半5分にFW香川真司が同点ゴール。後半19分にMF遠藤保仁の2試合連続ゴールで勝ち越すと、同27分にはMF本田圭佑の3戦連発弾で試合を決定づけた。

以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―この2試合でチームのバランスを取り戻せたか?
「このチームの目標は成長し続けること。集まれない期間が1か月あると、いろいろと忘れたり、タイミングがズレたりするが、今回のように準備期間があると違ってくる。近代サッカーではポジションが1m前か後ろかでも大きく違う。選手にも今日のパフォーマンスには満足していると伝えた。中央を固めてアグレッシブに行くところ、攻撃の際のオフザボールの動き、インテンシティーを高めて相手に迫っていくというところでよくやってくれた。グアテマラ戦より今日のほうが良かったし、手ごわい相手によくやってくれたと思う。ポゼッションやセカンドボールを拾って中盤を制圧し、いい形をつくれていた。シュートの数もゴールの数も相手を上回っていた。チームのリアクションもよかった。ああいうた形で失点するとガクっと来てしまうことがあるが、そこからよく立ち直って逆転してくれた」

―最近は個人の勇気ある勝負が増えてきたが?
「どんどん積極的に仕掛けてほしい。私が考える組織的なサッカーとは、そういう選手が力を発揮しやすいチームを整備することにある。理論だけならサッカーは簡単に思えることもあるが、組織だけ、あるいは個のクオリティーだけでなく、両方がそろっていないといけない。選手がいかにやりやすくできるかということをベースにチームをつくっている。過去の成功体験にとらわれることはない。このチームには独自のメンバーとクオリティーがある。過去にとらわれることなく、このチームのクオリティーを生かすための組織的なサッカーをやっていきたい。なぜメッシはバルセロナでは違いを生み出せるのにアルゼンチン代表ではそこまでではないのかという話を選手にした。私のサッカーは個のクオリティーがないと機能しない。大切なのは7、8人の選手が良いパフォーマンスを見せること。今日は7、8人ではなく、11人全員がいい働きしてくれた。一見して分かるような派手な仕事をする選手もいれば、陰で支えている選手もいるが、全員がいい仕事をしてくれた」

―2試合連続で3-4-3を残り15分で試したが? グアテマラ戦と3バックの並びが違っていたが?
「3バックを試す理由としては、トレーニングでやってきたということもある。最初は4-2-3-1だったが、あの時間帯に相手が2トップ気味にしてきたので3バックで対応しようと考えた。新しいシステムにトライするのは悪くないし、中盤が4枚になって厚くなるので、試合で必要になることもあるかもしれない。選手には一つのことを覚えたら引き出しにしまって、新しいことを覚えるようにと言ってある。3バックの並びに関しては、このシステムでは1センターバック+2サイドバックの3枚と表現しているが、この3枚は(全員が)真ん中もできるし、サイドもできるので、だれがどこに入ってもできると思っている。あくまで1センターバック+2サイドバックであり、3センターバックに2ウイングバックではない。この3バックには、DFがもう1枚欲しいからではなく、中盤や前線にもう一人攻撃的な選手が欲しいという意図がある」

―新戦力は融合はしてきたか?
「すごく良かったと思うし、彼らには満足している。練習での姿勢も素晴らしかった。出場時間に差はあるが、全員を使ってみて、試合でのパフォーマンスには満足している。齋藤も最後の10分ほどプレーしたが、人生で一番大切な試合のように入ってくれた。大迫もいい形で動き出したときに終了のホイッスルが鳴り、審判に怒りをあらわにしていたが、そういうメンタリティーは悪くない。時に行きすぎた部分もあって、3-1で勝っている状況でスローインをクイックで始めたりするシーンもあったが、そういうスピリットは気に入っている」

―ハーフタイムの修正は?
「ハーフタイムに指示したのは、一つ目は結果にとらわれすぎないこと。2つ目はバランスを大切に戦うこと。中央に人数を割いて、そこでボールを奪ってからインテンシティーを高めて、相手のDFラインに仕掛けていこうという話をした。前半であれだけチャンスをつくったのだから決め切ってほしいと言いたかったが、そこはグッと我慢した」

―守備の評価は?
「チームがコンパクトに保たれていたし、DFラインの上下動のメリハリが良くなった。FWの選手が自分たちの守備のタスクをこなすことでコンパクトに保てたし、ダブルボランチも楽になったと思う。今日の相手はFWに速い選手がそろっていたが、それでも高いDFラインの意識を持つというテストの場になった。勇気を持ってトライすればいい結果が生まれるということは、今日の試合で実感できたと思う。コンパクトになったことで相手がフリーで持っている時間は少なくなったと思うし、我々のボールの奪いどころも高くなった。一つ課題を挙げると、ボールを失ったときにもっと早いタイミングで(攻守を)切り替えられればいいと思う」

―今合宿で選手に何を伝え、どれだけ達成できたか?
「この10日間でたくさんのことができたし、チームとしていろいろ整理することができた。チームに優先順位を付け、一つずつ植え付け、復習する作業ができた。それが終わったあとにディテールの部分に入っていける。ここ数日はチームのフィロソフィーやコンセプトを植え付けることに費やした。先ほど選手には『各々のクラブに戻ったら監督の指示をしっかり聞くように』と話した。同時に『代表チームのやり方も引き出しにしまっておいてほしい』と。代表は各々のクラブでやっているサッカーと違うし、チームメイトも違うので、忘れないでほしいということは伝えた。

 最後に、2020年の東京五輪が決定したことについて、おめでとうと申し上げたい。たくさんのサポーターが応援してくれたことについても感謝したい」

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