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日本vsコスタリカ 試合前日のザッケローニ監督会見要旨

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 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が1日、米フロリダ州クリアウオーターのチーム宿舎で記者会見を行い、2日のコスタリカ戦に向けた抱負を語った。

以下、ザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「まずクリアウオーターの市長に感謝の意を述べたい。キャンプのために、たくさんの協力をいただいた。ありがとうございます。素晴らしいロケーションで、海が目の前にある。自分の故郷も海が目の前にあるので、家に戻ってきたのかなという感覚がある。レシフェ、ナタルの気候に合わせた暑熱対策として、この街を選んだ。個人的にも海が好きだし、市長から帰ってきたときのためにカギをもらったので、W杯が終わったら、またゆっくりこの地に戻ってきたい」

―コスタリカ戦のテーマは?
「プレーの内容もあるが、それ以上に本番に向けてのプログラミングがあるので、それを実行したい。選手それぞれのコンディションがあるので、出場時間の制限に気を遣って、この試合を戦っていきたい。ご存じのとおり、各国の直近の親善試合を見ても、(グループリーグで対戦する)3か国は選手のコンディションや出場時間に気を遣っている。結果よりも、本番にコンディションを合わせていく作業が大切だと思う。親善試合でも結果をという期待があるのは分かるが、一監督としては、いかに本番に合わせていけるかに焦点を合わせている。コンディションや出場時間を見極めていきたい。チームとして、いい準備が進んでいると感じているし、高温多湿の地でインテンシティーを出すのは難しいが、本番ではこのような気候で戦っていかないといけない。この環境にアジャストすることが大切で、チームには引き続き判断力の鋭さ、頭のキレを高めてほしいというオーダーを出そうと思っている」

―1トップの争いは柿谷、大迫に大久保を含めた3人と考えていいか?
「そういう意味ではセンターフォワードは4人いる。岡崎もそこのパートを担うことができる。あとは本田も前回のW杯ではセンターフォワードをやっている。ただ、岡崎はこのチームでは右のポジションに慣れている。柿谷、大迫、大久保がおそらくセンターフォワードのポジションに入ることになるだろう」

―(コスタリカメディアの質問)コスタリカをどう思っているか? W杯でどんな戦いができると思うか?
「我々の立場としては、コスタリカのことを多く考えるより、自分たちのことに目を向けないといけない。選手のコンディションや出場時間をしっかり見極めていきたい。コスタリカの印象としては、いいチームに仕上がっていると思う。W杯予選を見ても、素晴らしい戦いをしている。メキシコよりも4、5ポイント(実際は7ポイント)多く取ったことは素晴らしいし、評価できると思う。海外組も多いし、ヨーロッパのチームに多くの選手を輩出し、彼らがヨーロッパの舞台で活躍している。いいチームだと思うし、W杯ではイングランド、イタリア、ウルグアイと同じ難しいグループに入ったが、大切なのはフィジカルコンディションで、いかに本番に合わせていけるか。そういう意味では何が起こるか分からないと思う」

―本田はミランで苦しみ、キプロス戦もその延長線上のようなプレーだったが、どう見ているか?
「本田、香川はシーズン中に多くの出場機会を得られなかったということで、ここでは多くの時間、試合に出ないといけないと考えている。それも先ほどの出場時間を見極めるという話になるが、彼らはより多くの時間、試合に出るべきだと考えている。90分フル出場させるという約束をしているわけではないが、できる限り長い時間、使いたいと思っている」

―(コスタリカメディアの質問)コスタリカの監督は日本と試合をすることが重要だと思っている。それは日本の監督はイタリア人で、戦術がグループリーグで対戦するイタリアに似ているからだと言っているが、それについてどう思うか?
「ピント監督がそう話しているという情報は入ってきているが、どこまで力になれるか分からない。そう言ってもらえるのはうれしいが、『イタリア』と一言で言っても、たくさんのバリエーションがあり、監督によって複数のシステムを使うし、ゴールに向かう道も変わってくる。あえて共通点を挙げるとすれば、(イタリア代表の)プランデッリ監督もできる限り自分たちで主導権を握り、いい内容で勝利を目指すというところは似ているのかなと思う」

―内田、吉田、長谷部の3人を残り2試合でどう使っていくか? また、負傷離脱中の酒井高徳のコンディションについては?
「酒井高徳は膝の炎症ということでチームとは別でメニューを消化しているが、順調にきているという情報が入っているので、問題にならなければいいなと思っている。一つ目の質問についてだが、3選手はキプロス戦で45分間、プレーさせた。次はもう少し長い時間、トライしてみようかなという気持ちでいる。当然、個人の考えはそうだが、選手自身が感じているコンディションもあるので、彼らの話を聞きながら、慎重にどれぐらい使うか、一緒に考えていきたい」

―日本がグループリーグを勝ち残った場合、D組からはどこが勝ち上がって来ると思うか? ウルグアイ、イタリアと戦う場合、どちらが日本にとってより有利だと思うか?
「難しい質問だ。イタリア、ウルグアイとは過去に試合をしているが、過去のデータはあまり参考にならない。今現在が大切で、W杯本番にどれだけのコンディションに持って行けるかが、どこが勝ち上がってくるかを考えるうえでのキーポイントになる。難しいグループで、イタリア、ウルグアイ、イングランドと非常にいいチームがそろっている。バランスの取れた、タフなグループだと思う」

―鹿児島・指宿合宿で体を追い込み、キプロス戦では疲れもたまっていたが、今はどんな状態か? クリアウオーターでどんな調整をしていきたいか?
「すべての面でレベルアップしていきたい。フィジカルの面でも、まだここでも負荷をかけてトレーニングしているし、戦術の面でも選手にインプットする情報を増やしている。そういう意味では、まだ上り坂にいる段階だと思う。バランスとしては、フィジカルの部分は前回の合宿より少なくなってきていて、その分、動きの中での戦術トレーニングが増えてきている」

―初戦まで2週間だが、初戦の重要性をどのように考えているか? 本田の現在のコンディションは?
「初戦に向けてだが、単純なフィジカルのインテンシティーからボールを使ったインテンシティーを高めるところに移ってきている。選手には過剰なほどに情報を詰め込んでいる段階だが、それも試合が近づくにつれて、量を減らして調整していく。現時点ではまだチームのコンセプトの浸透を図っているが、試合が近づくにつれて相手の情報を含めた詳細な情報をインプットしていく。4年間、一緒にやっているメンバーもいれば、そうではないメンバーもいる。全員に情報を届けることが大切だと思う。本田のコンディションについてだが、香川やその他の出場時間が多く得られなかった選手全員に言えることだが、本番でトップコンディションに持っていくために、細かいところを観察して修正していく作業をしている。本田の特長や能力はよく分かっているし、本田自身も何を期待されているか、よく分かってくれていると思うので、そういう意味ではしっかり本番に合わせられると思っている」

(取材・文 西山紘平)

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