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香川が躍動した理由は“新たな距離感”

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 2日のコスタリカ戦(3-1)で、昨年9月10日のガーナ戦以来となる流れの中からのゴールを決めたFW香川真司(マンチェスター・U)が、逆転勝利の立役者となる活躍から一夜明けた3日、「ゴールにはホッとした」と、あらためて安堵の表情を浮かべた。

「あれくらい毎試合チャンスに絡めれば、1点や2点取れるくらいの自信は自分の中にある」と、強気なセリフも戻ってきた。

 今季のユナイテッドでは無得点でシーズンを終えるという屈辱の日々を送ったが、その鬱憤を晴らすようなゴールと調子の向上。しかし、本人にはまだ半信半疑なところがあるようだ。

「昨日はシュートまで絡む回数が明らかに多かった。そういう回数が増えていくと自然とゴールにつながるんじゃないかと思っている」とは言うが、それができた理由を問われると、思案顔を見せながら、こう吐露した。

「理由は昨日考えたんですが、特別なことは思い当たらなかった」

 そんな中、明らかに手応えを得た部分として挙げたのが、FW本田圭佑との距離感だった。コスタリカ戦では今までよりも中央付近に絞ってプレーする回数が増えていたが、これは試合中に本田と話し合いながらトライしていたこと。その結果、「主導権を握るには自分が中に入ったほうがボールがうまく回るのかな」という手応えをつかんだという。

「圭佑とは、お互いがどこにいったらどこに(ボールが)入るかということは分かっている。その中で中央で僕らがボールを持ったときに手応えを感じているので、その回数を増やしたい」

今までは指揮官の意向に沿ってワイドに張ることが多かったが、ここにきてワイドと中でプレーする回数のバランスに多少の違いが出てきたようだ。良い感覚を継続し、さらにはより確固たるものにするためにも、「次の試合(ザンビア戦)は試される試合になる」と強調する。

 3日の練習ではクリアウオーター市の子供たちとの交流があった。姉妹都市を結ぶ長野市に留学する予定の少年には、持参したマンチェスター・Uのユニフォームにサインを求められるなど、サッカー人気がさほど高くないアメリカでも知名度はさすがの香川。手応えを確信にするため、背番号10はさらにギアを上げていく。

(取材・文 矢内由美子)

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