遠藤はアギーレ戦術とどう折り合いをつけていくのか
グループリーグ敗退という結果を受けてなお、攻撃的サッカーを標榜していくべきという信念を示したブラジルW杯から5か月。MF遠藤保仁(G大阪)がいよいよアギーレジャパンでの“デビュー戦”を迎える。
ハビエル・アギーレ監督は公式会見の席で遠藤を先発で起用することを明言。「遠藤対ホンジュラスというチームです」というジョークめいた言葉で場を和ませつつ、「W杯でプレーをして、経験を積んでいる選手。クラブでも高いレベルでプレーしている」と一目置いていることを明確に口にした。
それだけではない。「本田や遠藤のように若い選手に力を貸してくれる彼らに敬意を示したい。非常にプロフェッショナルで、彼らの態度が見本になって若手が成長できる」と続け、MF長谷部誠、FW本田圭佑と並ぶ“キャプテントリオ”の一角に遠藤を任命した。
これには遠藤も心に響くものがあったようだ。合宿初日に初めて対面したあとは、3日間にわたって指揮官が不在。試合前日になってようやく2度目の対面ということでコミュニケーションは当然不足しているが、「監督からはチームでやっているようなプレーを出してくれと言われた」と話し合いをしたことを明かした。
「ここに来てまだ3日しかたっていない。監督のすべてを理解したわけでもない。自分も含めて新しい選手がいて、まだまだ手探りのところ。少しずつ形にしていければいいのかなと思う」と、慎重な構えを見せた裏には、ブラジルで意を決して語った自身の言葉がある。
「チャレンジしてこういう結果(グループリーグ敗退)になったのは残念だったけど、攻撃的に行くという姿勢を忘れずにやったことは正しかったと思う。攻撃的なスタイルを捨ててまで、日本の進むべき道が守備だとは思っていない」。遠藤のこの言葉は敗戦後だったからこそ重く響いた。日本サッカーの未来を考えての提言。しかし、選手としては柔軟な思考を持つことの重要性も熟知している。
「監督が変わればゲームの入り方やゲームの狙いというのは変わってくる。ここでは前回の代表のことは一切頭に置いていないし、新しい戦術を吸収しているところ。切り離すべき所はしっかり切り離してやらないと頭が硬くなると思う。柔軟性を持ちながらやっていかないといけない」と力を込める。
初招集ではあるが、今回は結果を求められるアジア杯前の最後の2試合という意味合いもある。「新しい日本の一面を付け加えながら、自分たちが持っている良い部分を出していけたらいいのではないかと思う」と前を見据える遠藤の再発進に注目だ。
(取材・文 矢内由美子)
ハビエル・アギーレ監督は公式会見の席で遠藤を先発で起用することを明言。「遠藤対ホンジュラスというチームです」というジョークめいた言葉で場を和ませつつ、「W杯でプレーをして、経験を積んでいる選手。クラブでも高いレベルでプレーしている」と一目置いていることを明確に口にした。
それだけではない。「本田や遠藤のように若い選手に力を貸してくれる彼らに敬意を示したい。非常にプロフェッショナルで、彼らの態度が見本になって若手が成長できる」と続け、MF長谷部誠、FW本田圭佑と並ぶ“キャプテントリオ”の一角に遠藤を任命した。
これには遠藤も心に響くものがあったようだ。合宿初日に初めて対面したあとは、3日間にわたって指揮官が不在。試合前日になってようやく2度目の対面ということでコミュニケーションは当然不足しているが、「監督からはチームでやっているようなプレーを出してくれと言われた」と話し合いをしたことを明かした。
「ここに来てまだ3日しかたっていない。監督のすべてを理解したわけでもない。自分も含めて新しい選手がいて、まだまだ手探りのところ。少しずつ形にしていければいいのかなと思う」と、慎重な構えを見せた裏には、ブラジルで意を決して語った自身の言葉がある。
「チャレンジしてこういう結果(グループリーグ敗退)になったのは残念だったけど、攻撃的に行くという姿勢を忘れずにやったことは正しかったと思う。攻撃的なスタイルを捨ててまで、日本の進むべき道が守備だとは思っていない」。遠藤のこの言葉は敗戦後だったからこそ重く響いた。日本サッカーの未来を考えての提言。しかし、選手としては柔軟な思考を持つことの重要性も熟知している。
「監督が変わればゲームの入り方やゲームの狙いというのは変わってくる。ここでは前回の代表のことは一切頭に置いていないし、新しい戦術を吸収しているところ。切り離すべき所はしっかり切り離してやらないと頭が硬くなると思う。柔軟性を持ちながらやっていかないといけない」と力を込める。
初招集ではあるが、今回は結果を求められるアジア杯前の最後の2試合という意味合いもある。「新しい日本の一面を付け加えながら、自分たちが持っている良い部分を出していけたらいいのではないかと思う」と前を見据える遠藤の再発進に注目だ。
(取材・文 矢内由美子)