[SBS杯]U-18日本代表はクロアチアに敗れて最下位終戦・・・アジア1次予選へ危機感得る大会に
[8.16 SBS杯国際ユースサッカー最終節 U-18日本代表 1-2 U-18クロアチア代表 エコパ]
8月16日、SBSカップ国際ユース大会はその最終日を迎えた。第1試合ではU-18スペイン代表が1-0で静岡ユース(静岡県高校選抜)に勝利。そのため、第2試合でU-18日本代表がU-18クロアチア代表に勝てば優勝が決まる。そういうシチュエーションとなった。
「勝てば優勝というのは分かっていたので、みんな試合前から気合は入っていた」。キャプテンのMF坂井大将(大分)がそう振り返ったように、立ち上がりから試合の主導権を握ったのは日本のほうである。「攻守に連動したプレーができていた」(坂井)ことで、クロアチアを押し込んだ。
だが、先制点はクロアチアに生まれる。14分、右サイドから持ち込んだMFフィンティッチ(ディナモ)のクロスにFWボジッチ(ディナモ)が合わせる。これは逆サイドからカバーに入っていたDF藤谷壮(神戸U-18)がいったんブロックしたが、こぼれ球に素早く反応したボジッチが再シュート。GK廣末陸(青森山田高)が飛び出して空いていたゴールに流し込まれてしまった。
日本もすかさず反撃。前線からの厳しいプレッシングで相手のビルドアップを阻害しつつ、ショートカウンターからゴールも狙う。19分にはFW小川航基(桐光学園高)が高い位置で奪った流れからMF三好康児(川崎F)が際どいシュートを放つなどチャンスを作っていく。そして迎えた24分、左サイドを攻め上がったDF浦田樹(千葉)の絶妙なアーリークロスにFW岸本武流(C大阪U-18)がニアサイドで合わせ、同点ゴールを奪い取った。だが、このあとは「決定力不足と言うほかない」(内山篤監督)。直後の25分に岸本がフリーでシュートをぶっ放し、37分にはMF堂安律(G大阪ユース)が巧みなドリブルでコースを作ってのシュートを狙ったが、いずれも枠外にそれていった。
後半に入ってもボールを支配しているのは日本だったが、一瞬のスキからまたも失点。後半12分、直接FKからのシュートはGKがいったん防ぐも、こぼれ球をクレノヴィッチ(ディナモ)に流し込まれて勝ち越しを許してしまった。攻める日本は焦りもあったのか、PA付近での精度が上がらず、19分に小川がMF久保田和音(鹿島)のアーリークロスから放った際どいヘディングシュートも惜しくも枠外へ。
「相手は2-1になってからブロックを作って完全に守ってきた」(坂井)。日本ベンチは矢継ぎ早の選手交代で、FW一美和成(大津高)、MF佐々木匠(仙台ユース)、高木彰人(G大阪ユース)を投入するが、巨漢選手のそろうクロアチアにゴール前を頑健に固められてしまうと、なかなかチャンスも作れない。惜しい場面も幾つかあったが、「ここぞ」という場面で必ずシュートブロックに入る巧妙さも備える守備を最後まで破れなかった。結局、1-2のままスコアは動かず。日本を破ったクロアチアが大会を制し、日本は最下位に沈んだ。
試合後、堂安は悔しさをにじませつつ、「クロアチアのチャンスなんてあの2回だけ。でもその2回だけでやられるのが怖いところ。1次予選もこういう展開はあり得る」と総括しつつ、「予選に向けて“いい危機感”を得られたとも思う」と語った。オーストラリアと同居する激戦区に入ったAFC U-19選手権予選(17年U-20W杯アジア1次予選)まで2か月足らず。「個々人が意識を変えないといけない」(内山監督)という危機感を得たことが、無念さばかり残った大会における最大の収穫と言えそうだ。
(取材・文 川端暁彦)
8月16日、SBSカップ国際ユース大会はその最終日を迎えた。第1試合ではU-18スペイン代表が1-0で静岡ユース(静岡県高校選抜)に勝利。そのため、第2試合でU-18日本代表がU-18クロアチア代表に勝てば優勝が決まる。そういうシチュエーションとなった。
「勝てば優勝というのは分かっていたので、みんな試合前から気合は入っていた」。キャプテンのMF坂井大将(大分)がそう振り返ったように、立ち上がりから試合の主導権を握ったのは日本のほうである。「攻守に連動したプレーができていた」(坂井)ことで、クロアチアを押し込んだ。
だが、先制点はクロアチアに生まれる。14分、右サイドから持ち込んだMFフィンティッチ(ディナモ)のクロスにFWボジッチ(ディナモ)が合わせる。これは逆サイドからカバーに入っていたDF藤谷壮(神戸U-18)がいったんブロックしたが、こぼれ球に素早く反応したボジッチが再シュート。GK廣末陸(青森山田高)が飛び出して空いていたゴールに流し込まれてしまった。
日本もすかさず反撃。前線からの厳しいプレッシングで相手のビルドアップを阻害しつつ、ショートカウンターからゴールも狙う。19分にはFW小川航基(桐光学園高)が高い位置で奪った流れからMF三好康児(川崎F)が際どいシュートを放つなどチャンスを作っていく。そして迎えた24分、左サイドを攻め上がったDF浦田樹(千葉)の絶妙なアーリークロスにFW岸本武流(C大阪U-18)がニアサイドで合わせ、同点ゴールを奪い取った。だが、このあとは「決定力不足と言うほかない」(内山篤監督)。直後の25分に岸本がフリーでシュートをぶっ放し、37分にはMF堂安律(G大阪ユース)が巧みなドリブルでコースを作ってのシュートを狙ったが、いずれも枠外にそれていった。
後半に入ってもボールを支配しているのは日本だったが、一瞬のスキからまたも失点。後半12分、直接FKからのシュートはGKがいったん防ぐも、こぼれ球をクレノヴィッチ(ディナモ)に流し込まれて勝ち越しを許してしまった。攻める日本は焦りもあったのか、PA付近での精度が上がらず、19分に小川がMF久保田和音(鹿島)のアーリークロスから放った際どいヘディングシュートも惜しくも枠外へ。
「相手は2-1になってからブロックを作って完全に守ってきた」(坂井)。日本ベンチは矢継ぎ早の選手交代で、FW一美和成(大津高)、MF佐々木匠(仙台ユース)、高木彰人(G大阪ユース)を投入するが、巨漢選手のそろうクロアチアにゴール前を頑健に固められてしまうと、なかなかチャンスも作れない。惜しい場面も幾つかあったが、「ここぞ」という場面で必ずシュートブロックに入る巧妙さも備える守備を最後まで破れなかった。結局、1-2のままスコアは動かず。日本を破ったクロアチアが大会を制し、日本は最下位に沈んだ。
試合後、堂安は悔しさをにじませつつ、「クロアチアのチャンスなんてあの2回だけ。でもその2回だけでやられるのが怖いところ。1次予選もこういう展開はあり得る」と総括しつつ、「予選に向けて“いい危機感”を得られたとも思う」と語った。オーストラリアと同居する激戦区に入ったAFC U-19選手権予選(17年U-20W杯アジア1次予選)まで2か月足らず。「個々人が意識を変えないといけない」(内山監督)という危機感を得たことが、無念さばかり残った大会における最大の収穫と言えそうだ。
(取材・文 川端暁彦)