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絶好調・香川が代表合流、W杯予選は「違った意味で難しい」

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 日本代表は1日、埼玉県内で合宿2日目の練習を行い、3日のW杯アジア2次予選・カンボジア戦(埼玉)に向けて調整した。この日の練習からMF香川真司(ドルトムント)、MF原口元気(ヘルタ・ベルリン)、DF長友佑都(インテル)の海外組3選手のほか、追加招集のDF丸山祐市(F東京)も合流。全23選手で冒頭以外、非公開で練習した。

 絶好調男が、1日遅れでハリルジャパンに合流した。公式戦5試合連続で得点に絡み、その5試合で4ゴール3アシストを記録している香川。3か月ぶりの代表合宿でも、その表情は生き生きとしていた。

「新しい環境で、監督も代わって、充実してサッカーができている。何よりサッカーに集中できているし、本当に充実しているので、それを続けたい」。好調の要因を語る香川は、同時に代表でもクラブと同じようにいくとは思っていない。「クラブと代表はまったく違う。サッカーも相手も違うし、違った意味で難しい戦いになる。切り替えて、次の試合に向けていい準備をしたい」と表情を引き締めた。

 カンボジア戦は6月16日のW杯アジア2次予選・シンガポール戦(0-0)同様、引いて守る相手との試合になる。この日の練習では、相手が5バックを採用することを想定し、攻撃の戦術確認も行った。スコアレスドローに終わったシンガポール戦を踏まえ、「前半にチャンスがあった中で、そこで決め切れずにああいう流れになった。先制点を取れれば流れは変わるし、そういうことを意識したい」と、立ち上がりから積極的にゴールを狙っていくつもりだ。

 バヒド・ハリルホジッチ監督は8月27日のメンバー発表会見で「A代表として7試合戦ったが、まだ一回もPKをもらっていない」と指摘。日本人選手にはペナルティーエリア内でファウルをもらいに行くようなしたたかさや狡猾さが足りないとし、現役時代にFWだった自身の経験をもとにPKの取り方を「日本代表のFWにも教えたい」と話していた。

 香川によると、この日の練習で実際にハリルホジッチ監督が選手に体の入れ方を指導する場面があったそうで、「『ゴール前ではまず体を入れろ』と言っていた」という。とはいえ、「(PKを)意識し過ぎても仕方ない。ずる賢さは必要だけど、(日本人は)素直なところが出ちゃうというか」と苦笑いを浮かべた香川は、ゴール前に入り込む場面を増やすことがPK獲得の可能性も高めることにつながると強調した。

「ゴール前で仕掛けていくことは必要だし、そういうところに入り込むことがファウルをもらうことにもつながる。その回数が増えれば、自然とそういうことも起きてくると思う。(PKは)紙一重だし、一人ひとりがそういう感覚を持って、思い切ってゴール前に入り込むことが大事になると思う」

 自分自身のゴールにはこだわらない。チームが勝つためにプレーするだけだ。「ゴール前にどんどん飛び出していきたい。前線には素晴らしい選手がいる。だれが点を取ろうが、チームが勝つためにやりたい」。公式戦4試合連続で勝利から遠ざかっているハリルジャパン。日本の背番号10が、その窮地を救う。

(取材・文 西山紘平)

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