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大学生相手にスコアレスドロー…手倉森監督、無得点も「ようやくゼロに戻った」

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[練習試合 10.27 U-22日本代表候補 0-0 福岡大]

 日の丸を背負う年代別代表が大学生相手にスコアレスドロー。だが、8月にJ2京都に1-2の敗戦、9月にはJ3リーグで町田に0-1の完封負けを喫していたこともあり、U-22日本代表候補の手倉森誠監督は「失点しなかったのは次につながる」と完封したことをプラスと捉え、無得点に終わった攻撃面には物足りなさを感じつつも前向きに捉えている。

 この日の福岡大の前線には、192センチのFW門司涼佑と184センチのFW加部未蘭ら長身FWをそろっていた。来年1月のリオ五輪最終予選で対戦する北朝鮮や中東との対戦を想定しての試合となったが、前半はDF岩波拓也(神戸)とDF奈良竜樹(F東京)、後半はDF秋野央樹(柏)とDF中谷進之介のCBコンビを中心に無失点に抑えた。

 しかし、攻撃面ではなかなか決定機を創出できず。前半は「とにかく大きいボールで回避するしかなかった」と手倉森監督が振り返ったように、最終ラインの裏を狙ったロングボールを多用するが効果的な攻撃にはつなげられない。後半に入ると「距離を縮めて自陣でも堂々とボールをつなげた」ものの、最後まで福岡大ゴールをこじ開けることはできなかった。

 だが、収穫はゼロではない。「ミドルゾーンからアタッキングゾーンにかけて、裏を取る動きがいかに相手が嫌がるか、ウチとしたらいかに勢いが持てるかを実感できたと思う」。トレーニングから意識していたワンタッチ、ツータッチでの素早いパス回しから裏を狙う動きが、ゴールを奪うための有効手段の一つであることを感じられたと語った。

 だからこそ、2-0の完封勝利を収めた7月のコスタリカ戦以来、「コンビネーション、ワンタッチ、ツータッチ、3人目が出て行く動きを取り戻せた。ようやくゼロに戻った気がする」とチームの状態は少しずつ上向いていると評価した。

 29日にはJ1鳥栖との練習試合が控えている。指揮官は「この世代の代表で鳥栖に勝ち、自信を彼らに植え付けたい。今日見た中での新しい組み合わせで勝つこと、やりたいことをやれるかどうかを意識したい」とまずは勝利が第一条件だと話した。

(取材・文 折戸岳彦)

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