「期待が大きい」U-17日本代表、インド出発前に久保建英の決勝PK弾で大学生破る
10月6日に開幕するU-17W杯インド2017に出場するU-17日本代表は1日、御前崎ネクスタフィールドで常葉大浜松キャンパスサッカー部と練習試合(35分×3本)を行った。試合は2本目のアディショナルタイムにFW久保建英(FC東京U-18)が左足で沈めたPK弾が決勝点となり、3本合計1-0の完封勝利をおさめた。
W杯前最後の実戦を終え、森山佳郎監督が「いいシミュレーションの試合ができた。相手が引いてくるか、前からくるかはわからないけど、連動した守備に入っていけない部分があった」と話すように、相手のプレスと固い守備に苦しんだが、本大会で堅守のチームをどう攻略するかという腕試しの場となった。思うように攻撃を組み立てられない時間帯があったからこそ、「『まだまだ足りないぞ』といういい緊張感を保ったままインドにいける」と指揮官は気を引き締めた。
日本は4-4-2のフォーメーションで、1本目はGKが谷晃生(G大阪ユース)、4バックは右SBがMF喜田陽(C大阪U-18)、CBが菅原由勢(名古屋U-18)と小林友希(神戸U-18)、左SBが鈴木冬一(C大阪U-18)。中盤はキャプテンの福岡慎平(京都U-18)と平川怜(FC東京U-18)がダブルボランチに入り、右SHが上月壮一郎(京都U-18)、左SHが椿直起(横浜FMユース)。2トップは宮代大聖(川崎F U-18)と久保がコンビを組んだ。
1本目は相手の鋭いプレスと固い守備に苦しみ、なかなか中盤でパスがつながらない。ロングボールを入れてチャンスを伺うも前線におさまらず、ボールを失う場面も続いた。徐々にスペースを使って攻撃の形をつくり、8分、平川のサイドチェンジを起点にエース宮代が右足シュート。18分にも小林の正確なフィードから最後は宮代が強烈ヘッドで叩いたが、惜しくもクロスバーを直撃してしまう。
2トップの一角に入った久保はいい形でボールを受けられない時間帯が続く。すると19分、相手選手4人に囲まれて突破を防がれ、右膝を負傷。座り込んで一度はピッチを出たが、プレーを続行した。ゴールに迫る機会は限られたが、185cmの小林が大学生に競り負けない空中戦の強さを見せるなど、相手にもチャンスを与えず、0-0で引き分けた。
2本目は先発5人を入れ替え、GKが梅田透吾(清水ユース)、4バックは右SBが菅原、CBは馬場晴也(東京Vユース)と監物拓歩(清水ユース)、左SBに鈴木が並んだ。中盤は福岡と奥野耕平(G大阪ユース)がボランチでコンビを組み、右SHに久保、左SHに平川が入り、FW中村敬斗(三菱養和SCユース)と宮代が2トップに入った。
開始早々、予期せぬアクシデントに見舞われた。福岡が右足ふくらはぎを打撲。顔を歪めてピッチに倒れ込むと、スタッフは両手で「×」サインを出し、担架で運び出された。代わりに喜田が緊急投入され、ボランチの一角でプレー。立ち上がりにはキャプテンの負傷で緊張が走ったが、2本目は左SBの鈴木が勢いあるオーバーラップから左サイドをえぐるなど、ロングパス以外にも多彩な崩しの形をつくった。
最終列からのフィードは宮代、中村におさまり、スピードに乗った飛び出しからゴールを強襲。久保のスルーパスからフィニッシュまでつなげるなど攻勢を強め、35分、途中出場のDF池高暢希(浦和ユース)が強烈ヘッドで叩いたが、またもクロスバーを直撃。それでも、直後に久保がPKのチャンスを獲得。自らキッカーを務めると、左足で落ち着いてゴール右隅に蹴り込み、1-0の勝利を呼び込んだ。
3本目はGKが鈴木彩艶(浦和Jrユース)、右SBは池高、CBは馬場と山崎大地(広島ユース)、左SBは井上樹(甲府U-18)。中盤はMF山本理仁(東京ヴェルディユース)と奥野がボランチ、右に椿、左に上月、2トップはブラウンノア賢信(横浜FMユース)と中村が形成した。相手の運動量が落ちた3本目は主導権を握り、立て続けに好機を演出したが、シュートはことごとくポストに嫌われた。
10分に決定機を迎え、池高の展開から上月のラストパスを受けたブラウンノアがエリア内から左足を振り抜いたが、惜しくも左ポストを直撃。さらに24分、ブラウンノアの決定的なシュートはまたも右ポストを直撃した。33分には後方からのフィードをエリア内の上月がぴたりとおさめ、ブラウンノアが右足を振り抜いたが、これも決めきれず。上月、椿のドリブル突破、中村の強烈な右足ミドルやFKからもチャンスを広げたが、3本目はスコアレスで終了。
3本合計1-0の完封勝利をおさめた試合を振り返り、森山監督は「バー、ポストに当たった決定機がいくつか」と苦笑いを浮かべながらも、「あれがもう一つ決めれるようになれば、勝ち点をつかんでいけるような試合運びができる」と前を向く。合宿を打ち上げたU-17日本代表は2日、決戦の地インドに向けて出発。森山監督は「本番に向けて楽しみ。やってくれるんじゃないかなという期待のほうが大きい」と、選手への大きな期待を隠さなかった。
(取材・文 佐藤亜希子)
●U-17W杯インド2017特集ページ
W杯前最後の実戦を終え、森山佳郎監督が「いいシミュレーションの試合ができた。相手が引いてくるか、前からくるかはわからないけど、連動した守備に入っていけない部分があった」と話すように、相手のプレスと固い守備に苦しんだが、本大会で堅守のチームをどう攻略するかという腕試しの場となった。思うように攻撃を組み立てられない時間帯があったからこそ、「『まだまだ足りないぞ』といういい緊張感を保ったままインドにいける」と指揮官は気を引き締めた。
日本は4-4-2のフォーメーションで、1本目はGKが谷晃生(G大阪ユース)、4バックは右SBがMF喜田陽(C大阪U-18)、CBが菅原由勢(名古屋U-18)と小林友希(神戸U-18)、左SBが鈴木冬一(C大阪U-18)。中盤はキャプテンの福岡慎平(京都U-18)と平川怜(FC東京U-18)がダブルボランチに入り、右SHが上月壮一郎(京都U-18)、左SHが椿直起(横浜FMユース)。2トップは宮代大聖(川崎F U-18)と久保がコンビを組んだ。
1本目は相手の鋭いプレスと固い守備に苦しみ、なかなか中盤でパスがつながらない。ロングボールを入れてチャンスを伺うも前線におさまらず、ボールを失う場面も続いた。徐々にスペースを使って攻撃の形をつくり、8分、平川のサイドチェンジを起点にエース宮代が右足シュート。18分にも小林の正確なフィードから最後は宮代が強烈ヘッドで叩いたが、惜しくもクロスバーを直撃してしまう。
2トップの一角に入った久保はいい形でボールを受けられない時間帯が続く。すると19分、相手選手4人に囲まれて突破を防がれ、右膝を負傷。座り込んで一度はピッチを出たが、プレーを続行した。ゴールに迫る機会は限られたが、185cmの小林が大学生に競り負けない空中戦の強さを見せるなど、相手にもチャンスを与えず、0-0で引き分けた。
2本目は先発5人を入れ替え、GKが梅田透吾(清水ユース)、4バックは右SBが菅原、CBは馬場晴也(東京Vユース)と監物拓歩(清水ユース)、左SBに鈴木が並んだ。中盤は福岡と奥野耕平(G大阪ユース)がボランチでコンビを組み、右SHに久保、左SHに平川が入り、FW中村敬斗(三菱養和SCユース)と宮代が2トップに入った。
開始早々、予期せぬアクシデントに見舞われた。福岡が右足ふくらはぎを打撲。顔を歪めてピッチに倒れ込むと、スタッフは両手で「×」サインを出し、担架で運び出された。代わりに喜田が緊急投入され、ボランチの一角でプレー。立ち上がりにはキャプテンの負傷で緊張が走ったが、2本目は左SBの鈴木が勢いあるオーバーラップから左サイドをえぐるなど、ロングパス以外にも多彩な崩しの形をつくった。
最終列からのフィードは宮代、中村におさまり、スピードに乗った飛び出しからゴールを強襲。久保のスルーパスからフィニッシュまでつなげるなど攻勢を強め、35分、途中出場のDF池高暢希(浦和ユース)が強烈ヘッドで叩いたが、またもクロスバーを直撃。それでも、直後に久保がPKのチャンスを獲得。自らキッカーを務めると、左足で落ち着いてゴール右隅に蹴り込み、1-0の勝利を呼び込んだ。
3本目はGKが鈴木彩艶(浦和Jrユース)、右SBは池高、CBは馬場と山崎大地(広島ユース)、左SBは井上樹(甲府U-18)。中盤はMF山本理仁(東京ヴェルディユース)と奥野がボランチ、右に椿、左に上月、2トップはブラウンノア賢信(横浜FMユース)と中村が形成した。相手の運動量が落ちた3本目は主導権を握り、立て続けに好機を演出したが、シュートはことごとくポストに嫌われた。
10分に決定機を迎え、池高の展開から上月のラストパスを受けたブラウンノアがエリア内から左足を振り抜いたが、惜しくも左ポストを直撃。さらに24分、ブラウンノアの決定的なシュートはまたも右ポストを直撃した。33分には後方からのフィードをエリア内の上月がぴたりとおさめ、ブラウンノアが右足を振り抜いたが、これも決めきれず。上月、椿のドリブル突破、中村の強烈な右足ミドルやFKからもチャンスを広げたが、3本目はスコアレスで終了。
3本合計1-0の完封勝利をおさめた試合を振り返り、森山監督は「バー、ポストに当たった決定機がいくつか」と苦笑いを浮かべながらも、「あれがもう一つ決めれるようになれば、勝ち点をつかんでいけるような試合運びができる」と前を向く。合宿を打ち上げたU-17日本代表は2日、決戦の地インドに向けて出発。森山監督は「本番に向けて楽しみ。やってくれるんじゃないかなという期待のほうが大きい」と、選手への大きな期待を隠さなかった。
(取材・文 佐藤亜希子)
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