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23人で戦うファイナル、02ジャパンはアジア王者として世界へ

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白熱のマッチアップを見せる荒木と角

 7日に開催されるAFC U-16選手権マレーシア2018決勝に備え、U-16日本代表は6日夕方から大会期間中最後となるトレーニングを実施した。

 別メニューの選手もなく23人全員が参加となった練習ではサイドを起点にした崩しの形を入念に試行したほか、セットプレーについても細かくチェック。「元から粘り強かったのが、決勝トーナメントに入ってより粘り強くなっている」(MF横川旦陽=湘南U-18)強固なディフェンスが売りのU-16タジキスタン代表を意識しながらのトレーニングとなった。

 戦術的には引いて守ってくる相手に対し、角昂志郎(FC東京U-18)と中野伸哉(鳥栖U-15)の両SBがポイントになるだろう。フリーで持てる機会が自然と多くなる彼らが攻めの起点となりつつ、縦への突破からクロスという形はもちろん、状況によってはサイドハーフを外に張らせながら、中央を突いていくプレーも求められる。所属チームでは攻撃的MFを務める二人は、まさにこうしたプレーが期待できる選手でもある。中野伸は「チームのために、最後にアシストとか数字に残る結果を出したい」と静かに意気込む。

 一方、FW西川潤(桐光学園高)は「9人でゴール前を固めて守ってくるチームは初めてだった」とタジキスタンのリトリートディフェンスを厄介なものとは捉えつつも、「映像も見せてもらって確認しているので、崩すイメージはできてきている」と言う。ただこれは、綺麗に崩す形にこだわるという話ではない。「事故みたいな形だろうと、入ったら1点は1点。ちょっとしたこぼれ球とかも強く意識しておきたい」と言う。

 森山佳郎監督はテクニカルなサッカーを当然志向しつつも、「極限まで戦い抜いてくるのがタジキスタンのスタイルで、試合が終わったらみんなぶっ倒れているようなチーム。そういう彼らの土俵とも言える部分でも負けないようにしたい」と、鍛えてきた成果を見せたい考えだ。その上で「逆境でも負けないメンタリティが付いてきたし、質の部分でも良くなってきている」と、選手たちの成長ぶりに自信ものぞかせた。

 気になるのは連戦による消耗の部分だが、ここまで全試合で先発出場している横川は「体が重いと言えば、重い部分はあるんですけど、これが最後なんで、もうノリでやり切れます」と笑って言う。最後の90分間、走り切って終わる腹づもりだ。

 すでに出場権を獲得した19年U-17ワールドカップ切符に加え、アジアチャンピオンになるという目標は当然あり、このメンバーでやるのは次が最後だというのはみんなが分かっていること。先月8日の茨城県内での強化合宿開始から、約1か月に渡った23人での活動は泣いても笑っても次の試合で終幕を迎える。そしてどうせ終わるならば、最後に泣き顔は要らない。

「これで最後なので、勝ってみんな笑顔で日本に帰りたい」(横川)

 16歳以下のアジア王者を決めるファイナルマッチ。12年ぶり3度目の優勝を狙う若き日本代表“02ジャパン”の戦いは、日本時間7日21時45分から幕を開ける。

(取材・文 川端暁彦)
●【特設】AFC U-16選手権マレーシア2018
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