beacon

若手にのしかかる期待…麻也はプレッシャーを歓迎「戦えないとやっていけない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

前日会見に登壇した日本代表キャプテンDF吉田麻也(サウサンプトン)

 ロシアW杯で16強入りを果たし、森保ジャパン発足以降も親善試合で4勝1分。アジアカップに臨む日本代表には大きな期待が寄せられている一方、若い選手たちにはプレッシャーになることも想定されるが、DF吉田麻也主将(サウサンプトン)はそれに打ち勝っていくことを求めた。

 アジア杯初戦のトルクメニスタン戦を翌日に控えた8日、試合会場のアブダビ・アルナヒヤーン・スタジアムで前日記者会見が行われた。主将として登壇した吉田は「初戦に勝つことが大事」と強調。そのうえで「W杯とは違い、アジアの中では勝たないといけない状況。違ったプレッシャーがある」とアジアの舞台での難しさを語った。

 FIFAランキング50位の日本だが、アジア杯の出場国では上から3番目。現実的な目標として『優勝』というミッションが課されることになる。だが、「その期待の中で勝ち上がれるかが、優勝できるかを決めるポイントの一つ」と吉田。まずはグループリーグで普段どおりの戦いができるかどうかが重要になる。

 今大会に臨む日本代表メンバーは15人がアジア杯未経験の選手たち。FW大迫勇也(ブレーメン)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF原口元気(ハノーファー)らロシアW杯の主力にとっても初めての大会だ。ただでさえ必勝が義務付けられるプレッシャーがある中、経験の浅い若手にはさらなる重圧が襲うことだろう。

 だが、吉田はそういった懸念材料を歓迎する。「期待はプレッシャーにも変わりうるけど、その中で戦えるようにならないと、今後のW杯予選でも、W杯でも、そしてこれからの選手キャリアでも戦っていけなくなる」と指摘。「そういうところに身を置いて戦うことが若い選手の成長につながる」と力強く語った。

 また、あえて『期待』を言葉にし、若い選手たちに意識させている様子。「多くの選手がヨーロッパで活躍したいと思っている選手たちなので、プレッシャーのなかで戦えないとやっていけないぞという意味で『期待』という言葉を使っているし、そういった期待の中で戦っていけるかどうかが日本サッカー界の次のステップになる」と自ら乗り越えていく姿勢を求めた。

 アジア杯を「今まで日本代表として戦ってきた人たちが作り上げてきた誇りや責任を、若い日本代表が新たに背負って戦う場。そういう意味でもこの戦いは非常に大きな戦いになる」と先も見据えた吉田だが、若手を突き放すつもりはない。自身は主将として、そして世界最高峰のプレミアリーグで戦うトッププレイヤーとして「経験のある選手がうまくサポートしながら大会を戦っていきたい」と支えていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

●アジアカップ2019特設ページ

TOP