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守備で疲弊し中2日…累積リーチの南野、堂安はベンチスタートも

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ベトナム戦へ調整するMF南野拓実

 今度は攻撃でチームに貢献する。21日の決勝トーナメント1回戦・サウジアラビア戦(○1-0)では攻守にハードワークし、後半32分に途中交代した日本代表MF南野拓実(ザルツブルク)。中2日で迎える準々決勝のベトナム戦に向け、「リカバリーは意識しているし、それがすべて」とコンディション調整に専念してきた。

 サウジアラビア戦後のミックスゾーンでは取材に応じなかった。この日も「頭の切り替えをうまくやって、前の試合を引きずらないというか、そういうことが大事」と話したのは、守備で疲弊し、攻撃で力を発揮できなかった悔しさがあるからだろう。「攻撃の部分はまったく物足りなかったし、結構考えた」と率直な胸の内を語った。

 チームの勝利がすべてであり、そのためにできることなら守備もいとわない。ハードワークできることも南野の強みであり、その良さが生かされた試合でもあった。「チームとして1点を守り切って勝った。勝ったほうが正義」というのは理解している。

 一方で「常にああいう戦いをして勝ちたいわけではない。自分たちの良さを出して勝ちに行くというか、次の試合でも自分たちの良さを出して勝ちたい」というのは本音だ。そしてベトナム戦が「前回と違う試合展開になる」のは間違いなく、「攻撃の部分で良さを出していければ」と、溜め込んだ思いをぶつける準備もできている。

 森保一監督はベトナム戦のスタメンについて言及を避けたが、サウジアラビア戦後には南野について「攻守ともに運動量多く走っていて、疲労が見えた」と交代の理由を説明していた。しかも南野はすでにイエローカードを1枚受けており、ベトナム戦で累積2枚目となれば準決勝が出場停止となる。

 同じように警告を1枚もらっているMF堂安律(フローニンゲン)も守備の負担が大きかったこともあり、疲労の色が見えた。守備陣はなかなか代えづらいが、思い切って南野、堂安をベンチスタートとすれば、出場停止のFW武藤嘉紀を含め、攻撃陣が大きく入れ替わることになる。FW大迫勇也、FW北川航也、MF伊東純也が先発し、サウジアラビア戦からはMF原口元気を除く3人が変更される可能性もありそうだ。

 いずれにせよ、たとえベンチスタートになったとしても、試合展開によっては彼らが勝負どころで投入される可能性も出てくる。総力戦で4強へ、森保ジャパンのチーム力が試されている。

(取材・文 西山紘平)

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