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日本vsトリニダード・トバゴ 試合後の森保一監督会見要旨

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日本代表の森保一監督

[6.5 キリンチャレンジ杯 日本0-0トリニダード・トバゴ 豊田ス]

 日本代表は5日、キリンチャレンジカップでトリニダード・トバゴ代表と対戦し、0-0で引き分けた。

以下、試合後の森保一監督会見要旨

森保一監督
「これまで我々がやってきた形ではないシステムでの試合で、選手たちは難しい部分が多々あったと思うが、攻撃も守備も自分たちで確認しながらよくチャレンジし、トライしてくれたと思う。その中で攻撃はディフェンスライン、GKからのビルドアップ、ウイングバックの幅と、少しずつだが、試合の中で時間を追うごとに感覚が良くなって、厚みのある攻撃につながったと思う。得点できなかったのは残念だが、シュート25本という公式記録も見て、そこを今度は決め切るという課題を持ちつつも、選手が難しい中でトライして、ゴールに向かってくれたことは次につながっていくのかなと思う。守備もバランスがこれまでと違う中でプレッシャーを上手くかけられないところも出ていたが、そこで切れることなく、もう一度やり直して、粘り強く守備をしていこうと。カウンターやセットプレーでピンチを招いたが、大崩れすることなく、粘り強くやり続ける、戦い続けることを選手たちがトライしてたと思う。次はまた中3日で試合がある。今日勝てなかった分、次の宮城での試合はしっかり勝てるように準備していきたい」

─3バックにしたときの攻撃面でのメリットは。
「形としてはウイングバックが守備のときはスペースを消せる、攻撃のときは高い位置で幅を持てるという部分で、相手のディフェンスを分散させることができると思っている。相手のディフェンスを分散させる中で、ビルドアップから縦パスを入れる。そこでもう少し崩せる形が出せればよかったが、そこは短期間の練習の中ではもう少し時間が必要かなと思っていた。ただ、選手たちが、大迫に入れるボール、(中島)翔哉や(堂安)律に入れるボールがだんだん増えてきて、そこで起点ができ、相手が中を締めてきたところで今度はまた外を使っていくという部分。そこは選手たちが少しずつだが、試合の中で相手の形を見ながら相手に嫌がられる攻撃をしていけたかなと。ディフェンスラインから畠中、冨安が持ち上がって、そのスペースからいい形で攻撃を仕掛けていくところは、形として選手たちが試合の中で修正してやってくれていたと思う。まずはワイドな部分で幅を持って攻撃できるところが一番かなと思う」

─このタイミングで3バックを試した理由は。次の試合でも3バックを試すのか。
「このタイミングで3バックを試したのは、これまでも毎回試そうかなという思いは持って活動してきたが、まずスタートでの形を安定させて、4バックをベースとすることでより多くの選手に吸収してもらいながら、戦術理解してもらいながら、次のオプションを試すときが来るかなと思っていたのが、今回のタイミングになった。9月からW杯予選が始まるが、それまで活動がなかなかない中で、ここで(3バックを)やって、選手が感覚的に覚えていってくれれば、またオプションとして使えるかなと思っている」

─ハーフタイムに強いメッセージがあったのか。
「今日は選手たちがこれまでの活動からだいぶ空いているし、アジアカップに出ていた選手も4バックの感覚が残っている中で、今日新しいことにトライして、前半は少し慎重になっていたところもあるのかなと思う。お互いの距離感を確かめながらやっていた部分があったので、時間を追うごとによくなったと思うし、後半、さらにチャンスにつなげられるような形が増えていったのかなと思う。ハーフタイムに言ったのは、なかなか前半、縦パスが上手く入らず、ボールを握っても効果的な攻撃ができない中、前線の選手がディフェンスラインに戻ってくるのではなく、ディフェンスラインの選手のビルドアップラインを上げて、前線との距離感を維持して攻撃につなげようと。特にディフェンスラインの選手たちが持ち上がる、より高い位置にポジション取りをする。ボールを運んで攻撃につなげてくれたと思っている」

─4バックをベースにするということでいいのか。U-22は3バックで、フル代表は4バックにしている理由は。
「今、U-22はトゥーロンを戦っているが、私が東京五輪世代の監督になったとき、まず自分がこれまでやってきたことをやってベースを作り、そこからオプションとして4バックを試合中に試してみたりということをやっていた。最終的に3バックと4バック、どちらがベースになるかは、選手の状態と招集選手をどうするか、どういうストロングを我々が持てるかというところで決めていきたいと思う。A代表に関しては、私が去年のロシアW杯でコーチとして経験させてもらった中で、まずは西野監督がやられていたこと、そしてA代表の選手にも合っているのかなと思いながら、W杯が終わって私がA代表の監督になったので、自分が経験させてもらったことをトライしようと思った。招集する選手は毎回何人か変わっているが、戦術的にはこれまでの活動の中でスムーズに来れていたと感じていたので、急いで次のオプションをつくっていくよりも、ベースのところを固めながらオプションをつくるという考えでいければと思っていた。どちらがベースになるかということだが、現段階ではA代表は4バックかなと思っている。ただ、3バックにしても4バックにしても、選手にも話したが、我々がやろうとする戦い方の原理原則は変わらないと思うので、そこは必要以上に難しく考えないようにトライしていこうということで今日の試合には臨んだ」

─久保をA代表のピッチで見られるのはもう少し先になりそうか。
「ここにいるメディアの皆さんも久保建英が出るのを期待されていると思うし、メディアを通して日本のサッカーを見ている皆さんも久保建英が出ることを期待されているのは、私にもひしひしと伝わっている。私自身も彼の日頃からのクラブの活動、今回招集させてもらって、十分にA代表の中でもできるなと思っているので、ピッチの上に立たせてあげたいとは思っているし、皆さんにも取り上げてもらえるようにという気持ちも持っているが、彼は18歳になったばかりで、シーズンを通してチームを牽引するようなプレーを続けてきて、そして今は移籍報道等、いろんなプレッシャーがかかっている中、少し緊張の糸を緩めながら先に進んでいったほうがいいのかなという思いを持って彼を見ている。もうちょっと先になるかどうかはチームの状況次第だが、まずは彼が今、示してくれているプレーと結果を続けて、このまま成長し続けてくれれば、間違いなくこのA代表の舞台でもプレーできる選手だと思うので、そこは彼の成長と我々の使い方がしっかりマッチしていけるようにというふうに考えている。久保だけではないが、選手は日本の宝だと思うので、その宝を、特にこれから成長していくであろう若い選手たちをどう見ていくのかというところは考えながら、ベストだと思うことを探っていきたいと思う」

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