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好セーブ連発で無失点継続! それでもGK権田は味方を称えた「ああなるとめちゃくちゃ難しい」

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試合後には苦笑いも浮かべたGK権田修一(ポルティモネンセ)

[11.14 W杯アジア2次予選 日本2-0キルギス ドレンオムルザコフ]

 鬼気迫るビッグセーブの連発で無失点試合を継続し、カタールW杯アジア2次予選4連勝をたぐり寄せた。それでも日本代表GK権田修一(ポルティモネンセ)は「みんなが高いレベルでやってくれたおかげ」とチームメートの奮闘を称えていた。

 前半16分のフリーで放たれたヘディングシュート(結果はオフサイド)、同32分の右サイドを破られてのダイレクトシュート、後半13分のエアスポットから飛んできた強烈な右足シュート、同23分に訪れた正面からの反転シュート——。今予選で最も多くの決定機を招いた日本だったが、あらゆる場面で蛍光イエローの背番号12が立ちはだかった。

 10月のタジキスタン戦でも前半24分のピンチでビッグセーブを見せ、先制点献上のピンチからチームを救っていながらも「シュートを止めるのが仕事なので」と冷静に振り返っていた権田。この日も自身のパフォーマンスにはあえて言及せず、仲間の働きにばかり話が及んだ。

 まずは再三サイドを破られていたDF長友佑都(ガラタサライ)について。「左ストッパーの選手から右の6番(DFビクトル・マイヤー)へのサイドチェンジはキルギスの形だったと思う」と分析していた権田は長友が強いられていた対応の難しさをしっかりと認識していた。

「トップ下に2枚いたら、両サイドがいても佑都くんが絞らないといけないのは必然。すると全部遅れての対応になるので、ああなるとめちゃくちゃ難しいと思う。クロスを上げられるシーンは多少あったけど、それを完全に抜かれるわけじゃなくて限定しながらだったし、あれだけ不利な状況でも(守れるのは)122試合出ているだけのことはある」。

 また中盤で不安定なトランジションを見せていたダブルボランチ、局面でシュートを打たれていた最終ラインへのフォローも欠かさなかった。

「相手は2トップで2シャドーだから、相手がちょっと頑張ったらゴール前で数的不利になる。そこで最後に遅れても(遠藤)航と(柴崎)岳が戻ってきてくれたり、CBが身体を張ってくれたり、そういうのを90分通してみんなが高いレベルでやってくれたおかげ」。

 そうした結果、自身のビッグセーブにつながったとみている。「ピンチは多少あったけど、ドフリーで1対1はなく、みんながプレッシャーに行って漏れてきたところだったので、ちゃんとゲームを読みながら、状況を見ながら、落ち着いてやれば防げるところだった」。予選4戦連続無失点を牽引する守護神は事も無げに振り返った。

 ただ、かといって手放しで喜ぶばかりでもない。「今日はできたのでよかった。ただ今日できたから次もできるという保証はない」。そう語気を強めた30歳は4日後に控えるキリンチャレンジ杯ベネズエラ戦に向けて「質の高い相手。メンバーは変わるけど、そういう相手に対しても日本代表は高い質で戦わないといけない。今日の課題もあるので、また短い時間だけど準備してベネズエラ戦に向けてやっていければ」と先を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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