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U-22日本代表キャプテンMF中山雄太の“タイプ”「それが合っている」

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U-22日本代表MF中山雄太(ズウォレ)

 U-22日本代表は15日、合宿5日目のトレーニングを行った。選手のコンディションにはばらつきがあり、前日行われた広島との練習試合(●0-1)で35分以上出場したMF中山雄太(ズウォレ)、DF板倉滉(フローニンゲン)ら8選手は軽めの調整。残るフィールドプレーヤー12選手はボールを使ったトレーニングに移行し、最終的にはFW前田大然(マリティモ)、MF三好康児(アントワープ)、MF堂安律(PSV)、MF橋岡大樹(浦和)、MF菅原由勢(AZ)、MF久保建英(マジョルカ)と合流が送れた6選手がシュート練習までこなし、約1時間のトレーニングで汗を流した。

 堂安、菅原とともに12日に合流した中山だが、13日の練習では遅れて合流した選手の中でも多くのメニューをこなし、14日の広島との練習試合(35分×2本)でも先発出場を果たして35分間プレーしている。コンディション面の良さをうかがわせ、「今日はコンディションを考えた上でのリカバリーだったけど、『練習をしたい』と伝えていたし、もっとやりたい気持ちがあった。タフというよりも、今はサッカーをしたい気持ちがある」と白い歯を見せている。

 昨季途中に加入したズウォレでは終盤の4試合出場にとどまったが、今季は出場機会を増やし、公式戦ここ5試合はフル出場を果たしてU-22日本代表に合流。ピッチに立つ機会が限られた昨季も「自分の中で色々と取り組み、終わってみれば充実していたと言える日々」を過ごし、自身の成長へとつなげたが、「やっぱり出ていることにより、出ていないときよりも感じるものがたくさんある」と試合に出ることの重要性を感じている。

 10月のブラジル遠征では、約半年ぶりにU-22日本代表に招集されると、同月14日に行われたブラジル戦ではボランチの位置に入って先発フル出場。後半23分には強烈なミドルシュートを突き刺し、3-2の勝利に貢献した。敵地で王国から収めた逆転勝利となったが、「ブラジル戦の勝利は、勝った時点で一瞬の喜びはあったけど、そのときの喜びでしかないし、あれは本番ではない。終わったこと」と気持ちの整理をつけている。

 森保一監督就任以降、東京五輪世代の代表に招集されればキャプテンマークを託されてきた。誰もが認めるキャプテンは、「僕は大きく声を出してまとめるタイプではない」と自己分析。「プレー面ではひたむきに自分のプレーをし、チームのために何をすべきかを考えながらやっている。仲間が自分の背中を見て、何か感じ取ってもらえればというタイプ」と背中で引っ張ってきた。そして、ピッチを離れると「まんべんなく、色々な選手と話すことを意識」して、コミュニケーションを深める。「皆さんが想像するような、本当の中心に立っているのではなく、一緒になって、そこで自然と先頭に立っている。それが合っているスタンスだと思う」と自身のキャプテン像を説明した。

「目指すべきところだし、直近の目標」と表現した東京五輪。その先にはA代表、そしてW杯があり、サッカー選手にとっては通過点の一つとなるが、「全員が一丸となり、自国開催で金を目指す」と貴重な経験の場であることは間違いない。自らがサバイバルレースを勝ち抜くためのアピールを続けるのはもちろんのこと、キャプテンとしてチームにプラスの影響を与えながら、本大会まで走り続けたい。

(取材・文 折戸岳彦)
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