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顔ぶれ大きく変わらず…DF長友の1年ぶり帰還に森保監督「チームに活力を与えてくれる」

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1年ぶりの代表合流となるDF長友佑都

 日本サッカー協会(JFA)は5日、今月のオーストリア遠征に臨む日本代表メンバー24人を発表した。FW大迫勇也(ブレーメン)が所属クラブの検疫条件により招集できないというアクシデントがありつつも、10月に行われたオランダ遠征からの入れ替えは最小限にとどまった。

 大迫の招集外は所属先のブレーメンで求められる検疫措置によるもの。オランダ合宿でも1試合目のカメルーン戦にはフル出場していたが、2試合目のコートジボーワル戦を前に代表チームを離脱していた。関塚隆ナショナルチームダイレクターはこの日のオンライン会見で「帰国後にチームとしての制限があるということで、今回は断念ということになった」と理由を述べた。

 オランダ遠征の参加組で今回選ばれなかったのは、カメルーン戦の前半限りで途中交代となったDF安西幸輝(ポルティモネンセ)だけだった。一方、新たにメンバー入りを果たしたのもMF橋本拳人(ロストフ)とFW浅野拓磨(パルチザン)の2選手のみ。いずれもオランダ合宿で現地政府の検疫措置に阻まれ、リスト入りが要望されながらも招集が見送られた選手たちだ。

 森保一監督はオンライン会見で「招集できない選手に一人一人言及するのはここでは控えさせていただきたいが、コーチングスタッフがリストアップしている選手は今回の招集以外でもまだまだいる」としつつ、入れ替えが少なかった理由を説明。来年3月に控えるカタールW杯2次予選前最後の活動ということもあり、「W杯予選に臨むことをまずは考えながら準備しなければならない」と述べた。

 その上で「10月と11月で招集できなかった力のある選手はいっぱいいる。これから力をつけて代表に絡んでくる選手がたくさんいることは認識している中、活動を見て来年以降に招集を考えていきたい」と今後の入れ替えも示唆。「チームで結果を出し続けている選手であれば、急に招集されても日本代表選手として絶対的に機能できると思う」と所属チームでの活躍を求めた。

 一方、指揮官は復帰組への期待も語った。待望の招集となった橋本、浅野だけでなく、オランダ遠征にメンバー入りしながらも体調不良のため参加を辞退したDF長友佑都(マルセイユ)の復帰も一つのトピックだ。

 昨年11月のカタールW杯2次予選タジキスタン戦以来、ちょうど1年ぶりの活動となる長友について森保監督は「試合の出場時間はまだまだ足りないが、チームの練習もしっかりやれていて、コンディション的にも良い状態を保てているということで招集した」と招集理由を説明。「経験という部分では日本代表に活かせるところが非常に大きい。経験の浅い選手にはプレーをもって背中で見せ、言葉でいろいろ伝えてくれるところで個々の成長につなげていける存在」と太鼓判を押した。

「経験だけで代表招集、ポジションを与えるというのはないので、本人には競争意識を持って、試合出場の権利を勝ち取ってもらえるようにしてほしい」と特別扱いは否定した森保監督だったが、「こういったことは言わなくても、本人はいつもチャレンジする精神でいるし、誰にも負けないようにと練習から100%出してくれている。チームに活力を与えるようなコミュニケーションを取ってくれているので今回の活動でも期待したい」と述べた。

(取材・文 竹内達也)
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