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3年4か月ぶり覚悟の代表復帰…GK西川周作「目指すのをやめた時がサッカーを辞める時」

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代表復帰を果たしたGK西川周作(浦和)

 日本代表への熱い思いは、34歳になっても変わらない。3年4か月ぶりのA代表復帰となったGK西川周作(浦和)は合流から一夜明けた22日、オンライン取材に出席。「日本代表の一員としてみんなと時間を共有でき、光栄に思っている。ここ数年は離れていたが、常に目指していた場所なので、このように呼んでいただけて非常に嬉しい」と率直な喜びを語った。

 西川は今季の開幕前、新たに就任したリカルド・ロドリゲス監督との面談で、かつて31試合に出場した日本代表への熱意を語っていたという。

「なんとしても、日本代表に復帰したい」。

 最後に選ばれたのはハリルジャパン時代の2017年11月に行われた欧州遠征。当時も8か月ぶりの復帰だったが、ロシアW杯ではGK中村航輔の台頭もあってメンバー入りを逃した。また広島で時間を共にした森保一監督が就任してからも序列はなかなか上がらず。しかし、強いモチベーションは持ち続けていた。

「一人の選手として、一番上の日本代表という場所を目指すのをやめた時がサッカーを辞める時だと思っている。選手としてまだまだ上手くなりたいし、成長したいし、人としても成長したいという思いが強い。ここを目指すことがモチベーションを上げられる要因になっている。常に日本代表の試合や結果は見ていたし、どんな選手が選ばれているかはチェックしていた」。

 代表から遠ざかっていた期間、自身の難しい立場は覚悟していた。「チームでの成績が代表にとっては一番いいアピールになると思っていたが、チームでいい結果が得られていないということはいいアピールができていなかった」。それでも、かつて日本代表でも師事した浦和の浜野征哉GKコーチとともに成長を求めてきた。

「ここ数年間、所属チームでイメージする結果が出せていない中でも、立ち振る舞いのところ、GKはどんな時でもどしっと構えて最後までプレーするというところは表現してきたつもり」。今回の代表チームでは「気づけば最年長」(西川)。GK川島永嗣が不在でさまざまな役割も期待される中、「若い選手がGKもたくさん出てきているし、まだまだ負けられないという強い気持ちを持ちながら、僕ができるベストなプレーをピッチの上でも表現していきたい」と意気込む。

 その目線の先には、気付けば1年半後に迫る2大会ぶりのW杯がある。出場のなかった2014年のブラジル大会を振り返った西川は「ベンチから見る光景、試合のテンションは忘れられないものがある。ただ目の前のラインの向こう側の世界は考えつかないくらいのプレッシャー、緊張感があったんじゃないかと思う。GKとしてその緊張感、プレッシャーを味わいたい」と力を込めた。

 だからこそ、まずは目の前の活動に全てを出し切る構えだ。

 ロドリゲス監督からは「自分の夢を叶え続けてくれ」、浜野GKコーチからは「チャンスだから思う存分楽しんでおいで」と背中を押されてやってきたという西川。「選ばれるだけじゃなく、試合に出ることもチャレンジしていきたいし、また次に呼んでもらえるようにベストを尽くしたい」と16年11月のロシアW杯最終予選・サウジアラビア戦以来、4年3か月ぶりの出場を狙う。

(取材・文 竹内達也)
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