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誰よりもゴールを積み重ねてきた点取り屋、U-24日本代表FW上田綺世のこだわり

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U-24日本代表FW上田綺世(鹿島)

 この代表で誰よりもゴールを奪ってきた。チームが苦しんだとき、ネットを揺らして歓喜をもたらしてきたのは間違いない。“エース”と呼ばれてもおかしくない実績を残してきたが、U-24日本代表FW上田綺世(鹿島)は、「通算で一番多く取っているかもしれないけど、その試合で点が取ることが重要」と目の前の試合にすべてを注ごうとしている。

 今回の合宿からDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF遠藤航(シュツットガルト)と3人のオーバーエイジが合流。多くの海外組が招集されたこともあり、五輪に向けての最終段階を迎えている。

「海外組や普段一緒にできない選手も多くいる。まずは、自分の特長である動き出しをし、そういう選手たちとのすり合わせが大事になる。身の回りを整えるではないが、自分の武器を生かせる準備をすることが大事だと思う」。自身の特長を生かす環境を整えていこうとしている。

 森保一監督が東京五輪世代の代表を率い、初陣となった17年12月のM-150杯からコンスタントに招集されてきた。当時は大学生だったものの、ゴールという結果を積み重ね、チーム、チームメイトからの信頼を得てきた。これまでの活動で奪ったゴールは15と、同代表での最多スコアラーとなっている。

 だが、エースの自覚を問われた上田は、「正直、特にない」とキッパリ。「何を持ってエースというか分からないけど、僕はFWである以上、その試合に勝つ、勝たせるための得点を取るのが仕事だと思っている。エースというより、FWはそれが仕事。FWである以上、その責任を持っていきたい」と語ったように、目の前の試合でチームを勝利に導くゴールを奪うことへの強いこだわりを見せた。

 今回の合宿を除けば、東京五輪本大会までの活動は、本大会直前のU-24ホンジュラス戦、U-24スペイン戦だけとなる。“最終選考”とも言える場に呼ばれたことで、「呼んでもらえるのはチャンスをもらえること。それを全力でつかみにいきたい。今持っているものを出すことに尽力していきたい」と力を込める。ゴールという結果を残し、チャンスをしっかりつかみ取りたいところだ。

(取材・文 折戸岳彦)
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