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日本女子vsスウェーデン女子 試合後の高倉麻子監督会見要旨

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なでしこジャパンの高倉麻子監督

 なでしこジャパン(日本女子代表)は30日、東京五輪準々決勝でスウェーデン女子代表と対戦し、1-3で敗れた。試合後、高倉麻子監督が会見に出席した。

 以下、会見要旨

――16年に就任してから攻撃的なチーム作りをしてきたが、なかなか今日はできなかった。メダルを取るために誤算があったところは。
「足りなかったことを今、自分の頭で整理して答えるのは非常に難しい。本当に世界の中で日本がやっていくサッカーのスタイルや足りないもの、例えばフィジカル的な要素なども補うべくして、選手が非常に努力を重ね、レベルアップした部分もあったし、自分たちのサッカーで世界に挑んでいく部分では、表現できた部分もあるかと思う。ただ、世界中の女子サッカーの急速な進歩というところの幅が、自分の計算とはちょっと違っていたのかなと、強いて言えば思いますが、決して全く届かない位置にいるとは思いませんし、本当に選手には、今までも十分に努力してきていると思いますが、この敗戦を決して無駄にすることなく前に進んで欲しいと思うし、簡単に倒れず、日本の女子サッカーが前に進んでいくことを望んでいます」

――頑張ったと思うが、高さや肉体の面で及ばないところがあって頑張るだけでは勝てない。長期的に考えた時にどういうことをするのが効果的だと思うか。
「シンプルに強豪国のほとんど、例えばアメリカでは160万人の女子サッカー選手がプレーしていて、ドイツも100万人くらいですかね。日本は5万人という中で、やはり秋にはWEリーグというプロリーグがスタートするし、今回なでしこジャパンは小さい子供たちに、メダルという具体的な夢を示すことができませんでしたが、WEリーグで選手たちがいいプレーをすることで、小さい子供たちがサッカーを始めること、またはその選手たちがプレーを続ける環境が出来上がってくることが大切だと思います」

――高倉監督のご自身の今後についての考えは。
「私自身が決められることではないですし、自分自身の思いはありますけれども、今それはここで、それを言うべきことではないと思うので、それだけです」

――指揮を執ってから5年かけてチームを作ってきたが、新しいものを与えたという手応えは。
「私が2016年に監督を引き受けた時、2つの大きな課題があったと思っている。一つは、王座奪還という課題、目標があったし、もう一つは世代交代を進めていかなければならないという事実があった。私自身は、選手の可能性をできる限り、広げていきながらチームを作っていこうと、時間をかけてチームを作ってきました。その中で日本の武器は何かというと、技術的な部分であったり、コレクティブにサッカーができることだったり、献身的にチームのために細かいところでも理解力を深めて組織的に戦っていけることだった。ただ、足りないのはフィジカル的な要素。守備でも攻撃でもボックス内での強さは、足りない部分だと思っていたので、その部分は選手と話をしながらフィジカルキャンプというのを初めて作って、どんなところを強化していくべきかを共有して、選手たちは本当によく努力してきた。ただ、今日もPA内での失点シーンもそうですし、自分たちが最後に点を取り切れなかった部分は、フィジカル的な要素であり、ゴール前でゴールを取り切れなかったのは、自分たちが追求したうまさの部分が足りなかったとも言えるし、今後、その部分に関して圧倒的な個の力は必要だと思うし、育成年代から、日本の武器であるうまさに、ボックス内での決定的な仕事ができる、決定的な仕事をさせない要素を課題にして取り組んでいけたらいいなと思います」

(取材・文 折戸岳彦)
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